1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550666
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
川井 正雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60161270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 修喜 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (30115670)
佛願 保男 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024207)
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Keywords | 植物成分 / ホオズキ / 抽出・精製・単離 / 構造決定 / フィサリン / スペクトル解析 / 抗腫瘍活性 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
日本産ホオズキの熱湯抽出液をクロロホルム抽出することにより粗製のフィサリンを得て、その成分検索を行った。シリカゲル、カラムクロマトグラフィ-と再結晶を繰り返すことにより新たなフィサリン2種類を単離して、それぞれフィサリンNおよびフィサリンOと命名した。^1Hおよび^<13>C核磁気共鳴スペクトルの解析と質量分析によってフィサリンNの構造を7αーヒドロキシフィサリンBと推定した。一方、フィサリンOはフィサリンAときわめて類似したスペクトルデ-タを示し、それらの詳細な検討によってフィサリンOの構造を25、27ージヒドロフィサリンAと推定した。フィサリンOの構造を確認するために化学変換反応による既知フィサリン類への誘導を試みた。フィサリンOは接触水素化によってデオキシテトラヒドロ体を与え、この化合物はフィサリンAのデオキシヘキサヒロド体と同一化合物であることを、薄層クロマトグラフィ-と赤外線吸収スペクトルにより確認した。またフィサリンOの酸処理脱水反応で得られる共役トリエノン構造を持つ生成物は、フィサリンLの酸処理脱水反応で得られるヂヒドロフィサリンLと一致することを確認した。さらに粗製フィサリン中より新たにフィサリンPを単離して、フィサリン骨格が転位反応を受けた形の構造を有していることを推定し、現在その構造確認を進めている。 フィサリン類の構造と抗腫瘍活性との相関についての知見を得るための予備的な活性試験の結果より、フィサリンの構造でステロイドA環の共役エノン構造が活性発現に必須であること、AB環へのα配置の酸素官能基の導入が活性発現を著しく抑制することを見出した。 フィサリン類の抽出と化学変換反応のために購入した化学天秤1台、マグネティックスタ-ラ-4台、ロ-タリ-エバポレ-タ-1台は、これらの研究のために多大の貢献をしている。
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