1989 Fiscal Year Annual Research Report
天然ゴム系両末端架橋モデル網目を用いた網目鎖長分布の新たな解析法の確立
Project/Area Number |
01550686
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 英俊 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助手 (60134061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 尚志 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助手 (00181553)
小野 勝道 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (40006325)
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Keywords | 架橋ゴム / 両末端架橋モデル網目 / 化学応力緩和 / 氷点降下法 / 動的光散乱 / 熱酸化劣化 / 網目鎖長分布 / 網目構造 |
Research Abstract |
架橋天然ゴム及び両末端架橋ポリジメチルシロキサン(PDMS)モデル網目を用いて、網目鎖長分布に関して種々の方法から検討を加えた。以下に得られた結果について述べる。1.当初の目的の一つであった両端末に官能基を持つ天然ゴムオリゴマ一の調製は、天然ゴムをテトラハイドロフランに溶解させ、過酸化水素水を加え、紫外線を照射することによって、両端末に水酸基を有するオリゴマ-を得た。今後はこのオリゴマ-を用いたモデル網目形成のための再架橋条件を検討する必要がある。2.平衡膨潤状態の均一及び不均一PDMS網目の氷点降下度を測定すると同じ架橋度でも不均一試料、つまり網目鎖長分布の広い方が大きな氷点降下度を示すことが明らかとなった。また、両網目試料の動的光散乱の測定から、光電場の一次の自己相関関数の指数関数減衰からの偏差は不均一網目ほど大きく、その架橋度依存性も著しい。従来、この偏差値は溶液試料における多分散性との関連で議論はなされてきたが、このように網目鎖長分布との関係が実験的に明らかとなったのははじめてである。架橋天然ゴムの場合もこの偏差値は低架橋度ほど大きく、先の結果から、低架橋網目ほど網目鎖長分布が広いと言える。3.Curroにより、熱酸化劣化(主鎖ランダム切断反応)が生じる場合、化学応力緩和法から網目鎖長分布を算出する方法が提案されていたが、従来の方法ではモノマ-単位の切断反応速度定数を一義的に決定するのに困難が伴なった。本研究では、膨潤法から得られる平均網目鎖長の値を用いて、Curroの計算法に工夫を加えた。その結果、従来のように便宜的に化学応力緩和曲線からモノマ-単位の切断反応速度定数を求めることなく、網目鎖長分布と同時にこの値も定めることが可能となり、熱酸化劣化反応の動力学的解析を容易にした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hidetoshi Oikawa: "Relationship between swollen network structure of rubber vulcanizates and mechanism of freezing point depression of swelling solvent." Journal of Macromolecular Science, Physics. B28. 187-216 (1989)
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[Publications] 及川英俊: "氷点降下法による劣化を受けた架橋ゴムの不均一網目構造解析" マテリアルライフ. 1. 31-36 (1989)
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[Publications] Kenkichi Murakami: "Rapid and Simple Determination Method of Chain Length Distribution of a Crosslinked Polymer by Chemorheology." Journal of Applied Polymer Science,Applied Polymer Symposia. 44. (1990)