1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550689
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 一良 福井大学, 工学部, 教授 (00020230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 俊也 福井大学, 工学部, 助教授 (10203845)
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Keywords | カテナ網目 / 環状高分子 / 高分子の運動 / 局所ガウス積分モデル / 局所結び目モデル / レプテ-ション運動 / 計算機シミュレ-ション |
Research Abstract |
1)カテナ網目生反応について、マ-クらによって試みられた両末端をランダムに結合する方法の理論的解析および計算機シミュレ-ションによる研究を行った。その結果、この方法では如何なる条件下でも環状高分子は数パ-セントしか生成されず、カテナ網目は形成されないことが明らかになった。この結果はシミュレ-ションによっても確認した。現在は、さらにカテナ網目の有効な生成法についての理論的考察を行っている。 2)カテナ網目中の環状高分子のブラウン運動を格子モデルを用いてシミュレ-ションを行い、高分子のからみ合い状態の変動を長時間に渡って観察した。この結果、まだ予備的であるが、我々が以前に提唱したようにガウス積分が長期に渡って局所的に保存され、実際に多数の「局所的結び目」が存在していることが明らかにされた。この「局所的結び目」は高分子鎖上で互いに斥力を及ぼしながら1次元の集団的ブラウン運動を行いる。特に、環状高分子では端点で「局所的結び目」が消失することが無いので、「局所的結び目」が高分子鎖に沿って1周以上拡散する様が観測された。この様な「局所的結び目」の集団運動がいわゆるレプタ-ション運動に対応すると考えられる。計算機シミュレ-ションでレプテ-ション運動を観測したのはこの研究が最初である。現在、この運動の詳細な解析を行っていることろである。
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