1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550691
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室賀 嘉夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (00115643)
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Keywords | 低分子量高分子 / 高分子鎖のコンフォメ-ション / 高分子鎖の局所構造 / 高分子鎖の溶液物性 / X線小角散乱 / ポリアクリル酸ソ-ダ / ポリエチレン / ポリメチルメタクリレ-ト |
Research Abstract |
溶液中における高分子鎖のコンフォメ-ションに関してはこれまで高分子量物について数多くの研究がなされてきたが,本研究では特に低分子量の高分子鎖のコンフォメ-ションに焦点をあてゝ解析を行ない,高分子量物との相異点,特殊性等を明らかにする事を目的とした。 1.数平均分子量(Mn)=4000のポリスチレンとMn=2000のポリアクリル酸ソ-ダの高分子鎖の持続長は,高分子試料と同程度の7〜11A^^°となり,これらの高分子鎖のコンフォメ-ションは,分子量に関係なくみみず鎖モデル等の同一モデルで記述する事ができる。 2.アセトン及びトルエン溶液中におけるアイソタクティック及びシンジオタクティックポリメチルメタクリレ-ト(iso.PMMA,iso.triad=85%及びsyn.PMMA,syn.triad=90%)のコンフォメ-ションをX線小角散乱法によって得られた散乱関数に基づいて解析した。その結果,分子量1万以下の低分子量のiso,PMMAのコンフォメ-ションは,分子量の大きさに関係なくいわゆるみみず鎖モデルによって表現できるが,分子量1万以下のsyn.PMMAのコンフォメ-ションは,分子量が大きなものについてはみみず鎖モデルで記述できるものゝ,分子量が小さいものについてはこのモデルで記述できない事が明らかとなった。 3.低分子量直鎖ポリエチレンの溶液中におけるコンフォメ-ションをθ条件下で明らかにするためにジフェニルメタン溶液について142℃でX線小角散乱の測定を行なった。その結果,分子量が1万以上ではランダムコイル鎖として挙動するが,それ以下に分子量が減少するにつれて,ランダムコイル鎖から棒状分子へと移行して行く事が,高分子鎖の回転半径と分子量の関係から明らかにされた。
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Research Products
(1 results)