1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550705
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神山 智明 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 弘志 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (30006449)
鈴木 謙爾 東北大学金属材料研究所, 教授 (10005861)
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Keywords | アルコキシド / ゾルゲル過程 / SAXS / 電場 / フラクタル / シリカ / チタニア |
Research Abstract |
本研究は,静電場中で金属アルコキシドを加水分解重合させて,そのクラスタ-凝集過程への影響をx線小角散乱(以下SAXSと書く)測定により調べ,可能なく異方性のあるゲルまたはガラスを作ることを目的とする.本年度は装置整備については,高電圧まで耐えられる,静電場中のゲル化装置を設計し製作した.それは3.5kvまで十分耐えられる. ゲル生成過程の研究は,SAXSから求められるフラクタル次元数より直接その構造およびクラスタ-凝集機構を考えることは困難なため,様々な構造および凝集機構のモデルを考え計算機シミュレ-ションによってフラクタル次元数を求め,両者を対応させて考えるのがふつうである.本研究ではその代わり,構造に依存すると考えられる性質,曳系性,とフラクタル次元数を対応させることを考えた.それは,曳系性を示すような構造は電場に対して敏感に反応すると考えたからでもある。試料はシリカだけでなくチタニアおよびその合金についても行った. 結果は,電場をかけない場合について得られている。シリカでは曳系性が変化する組求Water/Si比4およびその前後の2,6,20の系についてSAXS測定を行った.フラクタル次元数はWater/Si比が2,4,6,20と大きくなるにつれ,それぞれ1.66,1.78,1.88,1.94と連続的な増加を示す。一方チタニアではWater/Ti比が1,3,5,10の場合について調べたところ,1および3でだけ曳系性を示した。SAXSによればWater/Ti比が1,3のときだけいずれも次元数が1.55のフラクタル構造を示す。組成比が5および10のときはフラクタル構造を示さない。 以上より,シリカ,チタニアを問わずその次元数が約1.7以下となるようなフラクタル構造をもつゾルだけが曳系性を示すことが結論される。 上記の振舞いへの電場による影響については現在研究中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 神山 智明,三上 正樹,鈴木 謙爾: "シリコンおよびチタン系酸化物ゾルゲル過程のX線小角散乱" 計算機支援による材料設計報告書. 27-30 (1990)
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[Publications] T.Kamiyama,M.Mikami,K.Suzuki: "SAXS study of gelation process of silicon and titan alkoxide"
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[Publications] S.Matsuo,T.Kamiyama,K.Suzuki: "SAXS study of Alーbase amorphous alloys on annealing"
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[Publications] 鈴木 弘志,佐々木 栄一: "液体アンモニア処理木材の割裂破壊におけるAEの挙動" 材料. 39. 382-386 (1990)