1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550706
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
上田 充 山形大学, 工学部, 教授 (20007199)
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Keywords | 化学選択的 / ポリアミド / 活性化剤 / ジカルボン酸 / ジアミン / アミノリシス / 酸性度 / 直接重縮合 |
Research Abstract |
化学選択的ポリアミド合成を目的として、まず、活性化剤としてジフェニル(2,3-ジヒドロ-2-チオキン-3-ベンゾオキザゾリル)ホスフォナ-トを用いて各種モデル反応について検討を行い、次のことが分った。 1)カルボン酸と活性化剤との反応により生成した活性アシル中間体による水酸基とアミノ基の識別:水酸基とアミノ基の識別能について、活性剤の存在下p-アミノフェノ-ルとカルボン酸の反応について検討したところ、定量的にN-アシルアミノフェノ-ルが得られた。さらに、5-ヒドロキシイソフタル酸とアニリンとの反応を行った。その結果、N_,N^,-ジフェニル-5-ヒドロキシイソフタルアミドが定量的に得られ、選択的N-アシル化ができることが分かった。 2)生成した活性アシル中間体によるアミノ基間のpKa値の差の識別:pKa値の異なるアミノ基間の識別能を検討するために、活性化剤の存在下、種々のアニリン誘導体と安息香酸の反応について検討し、アミノリシスの2次速度定数Kを決定した。その結果pKa値の差が2あれば反応速度が100倍ほど異なり、識別可能であることが判明した。 3)有機塩基によるカルボン酸のpKa値の差の識別:2種の異なる安息香酸誘導体とアニリンとの競争反応を行い、有機塩基でカルボン酸のpKaの差をどこまで区別できるか検討を行った。その結果、弱塩基を用いることによりpKa値の差が1位のカルボン酸の識別が95%程度できることが分かった。 これらの知見を基にして、5-ヒドロキシイソフタル酸と各種芳香族ジアミンの直接重縮合反応を行ったところ、選択的N-アシル化反応により、水酸基を有する高分子量のボリアミドを得ることに成功した。
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[Publications] 上田充: "直接重縮合" 有機合成化学協会誌. 48. 144-156 (1990)
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[Publications] M.Ueda,T.Morozumi,M.Kakuta,and R.Sato: "Chemoselective Polyamidation" Polymer J.