1990 Fiscal Year Annual Research Report
シリルジエノ-ルエ-テル類の官能基転移重合と生成ポリマ-の高分子反応
Project/Area Number |
01550716
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平林 忠道 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70024338)
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Keywords | グル-プトランスファ-重合 / シリルジエニルエ-テル / 分子量制御 / 速度論解析 / 高分子反応 / 構造ー物性相関関係 |
Research Abstract |
(1)2つの新しいシリルジエニルエ-テル[CH_2=C(R)ーCH=CHーOーSi(CH_3)_3、I:R=CH_3、II:C_6H_5]のアルド-ル縮合型官能基転移重合(GTP)を行った。共に合成時混入する原料アルデヒドの除去の難点は、ヒドラジノベンゾチアゾ-ルの使用で解決した。IのGTPは、正常の成長以外に分子内脱シリル化(環状エ-テルの形成)を伴うけれども、分子量分布は狭い(Mw/Mn=1.14)ポリマ-を与える事、一方幾何異性体の混合したII(E:Z=54:46)ではE体のみがGTPに対応でき、Mnが[M_E/I]。と合致するMw/Mn〓1.2のポリマ-を与えるが、Z体は分子量制御の働かない過程で遅い重合が起こる事を明らかにした。(この項高分子年次大会/3年5月発表予定) (2)BdTMS(上式でR=H)のGTPの最適条件の検討と速度論解析を続行した。昨年試みた多くのルイス酸触媒のうち有効であったハロゲン化亜鉛類(ZnBr_2、ZnI_2、ZnCl_2)につき、開始および全重合(成長)速度定数を求めると、どちらに対してもBr>I>Clの序列を得た。特にBrの場合は開始は成長の約3倍の速度定数をもち、迅速開始条件を比較的満たしているので分子量分布が狭くなる主因と理解できた。律速段階と目されるZnX_2による開始剤および成長末端(モデルはクロトンアルデヒド)のホルミル炭素のカチオン化傾向を ^<13>CーNMRで評価すると、やはりBr>I>Clの序列を得た。またエ-テルを加えて重合系を均一化させた場合も良好なGTPが起こるが、その時の重合速度式はR=kp[開始剤][触媒][モノマ-]^2となることが判った。(この項投稿中) (3)P(BdTMS)およびその脱シリル化体の接触還元、あるいはアセチル化等の高分子反応も続行した。適正な触媒や反応条件の選択は完了したが、ガラス転移温度等の物性を調べるには高分子量(100量体以上)の母体試料が必要で、その調製には低温で長時間のGTPが良いと分かった。(この項中化連秋季大会/2年10月発表)
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[Publications] Tadamichi,HIRABAYASHI: "Group Transfer Polymerization of 1ーButadienyloxytrimethylsilane:Effects of Aldehydes on the Initiation Reaction." Polymer J.22. 287-294 (1990)
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[Publications] Tadamichi,HIRABAYASHI: "Role and Selection of Lweis Acid Catalyst for Group Transfer Polymerization of 1ーButadienyloxytrimethylsilane:" Polymer J.
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[Publications] Tadamichi,HIRABAYASHI: "Synthesis of SequenceーOrdered Copolymer.Synthesis of EthyleneーVinyl Alkohol Alternating Copolymer by Hydrogenation of Poly(1ーButadienyloxytrimethylsilane)Prepared from GTP Method." Macromolecules.
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[Publications] Tadamichi,HIRABAYASHI: "Group Transfer Polymerization of 3ーMethylーor 3ーPhenylー1ーButadienyloxytrimethylsilane:The Influence of Substituents in those monomers and their Geometry upon the Transition State of GTP." Polymer J.