1989 Fiscal Year Annual Research Report
イソタクチックおよびシンジオタクチックPMMAマクロマ-のラジカル重合機構
Project/Area Number |
01550717
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60135671)
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Keywords | 立体規則性 / マクロモノマ- / ラジカル重合 / ESR / 成長ラジカル / 停止反応 / 末端基 / ポリメタクリル酸メチル |
Research Abstract |
1.トルエン中tーC4H9MgBrあるいはtーC4H9Liー(nーC4H9)3Alによるメタクリル酸メチルの重合で得たリビングPMMAアニオンとPービニルペンジルブロミドとの反応でスチレン型イソタクチック(it)およびシンジオタクチック(st)PHMAマクロマ-を合成した 2.重トルエン中AIBNによるラジカル単独重合速度をNMR法で求め、itーマクロマ-の方がstーマクロマ-より大きい重合反応性を有することがわかった。スチレンとのラジカル共重合を行って求めたモノマ-反応性比からもitーマクロマ-の反応性がより大きいことが確かめられた。 3.重水素化AIBNによるstーマクロマ-の重合を行ない、生成ポリマクロマ-中の重水素化開始剤断片の数を^2HNMRで分析したところ、1分子あたり0.6個となり、連鎖移動反応が併発していることがわかった。また、マクロマ-のベンゼン溶液にESRキャビティ-中で光照射すると、室温以上でも観測できる安定な成長ラジカルが生成することを見出し、その信号強度の減衰速度から停止反応速度定数(kt)を求めることができた。マクロマ-のktはスチレンのそれに比べて10^3〜10^5ほど小さく、マクロマ-のラジカル重合においては活性点近傍のセグメント密度が高いため、停止反応が著しく制御されていることが明らかになった。itーマクロマ-のktはstーマクロマ-のそれより10^2倍ほど大きく、itーPMMA鎖のいる高い運動性が停止反応に影響を与えることがわかった。 4.2.で得た重合速度、3.で求めたktならびに会誌剤断片の定量から得た会誌剤効率(f=0.18)を用いて郭マクロマ-の成長速度定数kpを見積もった。マクロマ-のkpはスチレンのそれより小さいが、ktの低下の寄与がより大きいため、全体としての重合速度はマクロマ-の方がむしろ大きくなるというマクロマ-のラジカル重合の特異性が明らかになった。また、itマクロマ-のkpはstーマクロマ-のkpより大きい値であった。
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[Publications] Koichi Hatada: "Preparation of Highly Isotactic and Syndiotactic Poly(methyl methacrylate)Macromonomers Having the Same Chemical Structure and Their Polymerzation" Polymer Bulletin. 21(2). 165-172 (1989)
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[Publications] Koichi Hatada: "Electron Paramagnetic Resonance Observation of Propagating Radicals in the Polymerzation of Highly Syndiotactic ωー(pーVinylbenzyl)ーpoly(methyl methacrylate)Macromonomer" Makromol.Chem.,. 11. (1990)
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[Publications] Koichi Hatada: "Preoaration of Random,Block and Graft Copolymers of high Stereoregularity and their Characterization" "Progress in Pacific Polymer Science" Proceedings of First Pacific Polymer Conference SpringerーVerlag,Heideberg. (1990)
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[Publications] 北山辰樹: "ジフェニルーpービニルフェニルホスフィンを用いるマクロモノマ-ならびにグラフトポリマ-の合成" Polymer Preprints,Japan. 38(2). 155 (1989)
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[Publications] 畑田耕一: "立体規則性PMMAマクロモノマ-間のラジカル共重合ー共重合反応性に及ぼす立体規則性の影響" Polymer Preprints,Japan. 38(2). 348 (1989)
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[Publications] 畑田耕一: "ESRによるスチレン型PMMAマクロマ-のラジカル重合の研究" Polymer Preprints,Japan. 38(6). 1314-1316 (1989)