1989 Fiscal Year Annual Research Report
最終工程に高特異性セラチア56Kプロテア-ゼを用いる生理活性ポリペプチド合成
Project/Area Number |
01550718
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
西野 憲和 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40145165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 久和 九州工業大学, 工学部, 助手 (30183966)
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Keywords | ペプチド合成 / 生理活性ポリペプチド / プロテア-ゼ触媒 / セラチア56Kプロテア-ゼ / ヒト成長ホルモン放出因子 |
Research Abstract |
最終工程にセラチアプロテア-ゼ(SP)を触媒として用い、高効率に生理活性ポリペプチドの合成を行うための基礎研究として、平成元年度に以下の研究を行い成果を得た。1.モデルペプチドの合成:プロテア-ゼ触媒によるペプチド合成のモデル系として、酸成分、Abz-Gly-Phe-Arg-OH(Abz:アミノベンゾイル)とアミン成分、Leu-Nba(Nba:ニトロベンジルアミン)、Ala-NbaあるいはGly-Nbaとの縮合反応を、SP触媒により行った。SPはArg-Leu結合を速やかに高収率縮合するが(収率50%、2hr)、Arg-AlaやArg-Gly結合を収率よく縮合しなかった(収率20%)。この結果は、SPの加水分解系での高基質特異性がペプチド合成系においても保存されていることの発見である。同じArg特異的プロテア-ゼであるトリプシンでは、この様な高い特異性は見出されなかった。またSPはアミン成分Leu-Ala-Nbaとの縮合反応も高収率で触媒することにより、本プロテア-ゼがより長鎖の生理活性ポリペプチドの合成に適用可能であることが示された。反応最適条件は、溶媒50%DNF、pH7.0である。2.アフィニティカラムの作成:プメテア-ゼの大量精製技術として、プロテア-ゼの拮抗阻害剤をゲル担体に固定化したアフィニティカラムを作成したルプロテア-ゼとの解離定数が10μM程度の阻害剤が最適であることを見出した。3.ヒト成長ホルモン放出因子のフラグメント合成:上記成果を踏まえ、高価値医薬品としての可能性の高いヒト成長ホルモン放出因子の活性フラグメントの高純度、高効率合成をプロテア-ゼ触媒により行う。合成原料である保護ペプチドセグメントを三原およびKaiserの方法により高収率合成することができた。平成2年度においては、最終工程のプロテア-ゼ触媒により、上記生理活性ポリペプチドの合成を行う計画である。
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Research Products
(1 results)