1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550721
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
仲川 勤 明治大学, 理工学部, 教授 (60139459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 亜紺 明治大学, 理工学部, 助手 (30189766)
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Keywords | 酵素固定膜 / アスコルビン酸オキシダ-ゼ / 酵素電極法 / 酵素活性 / 銅キレ-ト高分子膜 / 酵素センサ- |
Research Abstract |
多種類の酵素の中には活性部位に金属を含有するものがある。本研究はこのような酵素の有する金属と同じ金属を有する高分子膜に固定した場合、酵素の活性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として行った。 次の2種類の高分子を合成した:(1)銅をキレ-ト状態として有する高分子として、N-メチル-N-カルボキシメチルジチカルバマ-ト基を有するポリ塩化ビニルを合成後、酢酸銅と反応して得たもの(PSDC-Cu)、この基を有するポリ(γ-メチル-L-グルタマ-ト)膜(PMLG-Cu)、(2)銅を塩として含有する高分子として、メタクリル酸メチル-アクリル酸共重合体膜を合成後、銅塩化したもの(Copoly(MMA-AA)-Cu)。酵素としてアスコルビン酸オキシダ-ゼ(ASOD)を用いた。酵素含有高分子膜は上述の高分子膜を製膜するためのキャスト溶液にASOD)を、所定量添加して製膜した。膜の酵素活性はこの酵素がL-アスコルビン酸を酸化する反応で消費される酵素量を酵素電極法で定量した。 ASOD固定銅含有高分子膜の酸素電極応答性について、次の結果を得た。膜中に銅をキレ-ト状態で固定しているPSDC-Cu-ASOD、PMLG-Cu-ASOD膜は、参照的に用いた銅を有しない膜と比較して減少電流値が低かった。これはこの型の膜では、膜中に架橋構造が生じ、またキレ-ト状態の銅では含水率が低下し、酵素とL-アスコルビン酸の膜中の拡散係数が低下したためである。しかし、銅塩として銅を保持したCopoly(MMA-AA)-Cu-ASOD膜では、銅塩を含有しない膜と比較して大きな減少電流値が得られ、酵素反応のほか、銅によるL-アスコルビン酸の直接酸化が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsutomu Nakagawa,Shoki Matsuoka,Akon Higuchi: "The Effect of structure of the Enzyme-fixed polymers on the reactivity of Enzyme" Reports on Progress in Polymer Physics in Japan(RPPPJ). (1990)
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[Publications] 仲川勤,松岡祥樹,樋口亜紺: "アスコルビン酸オキシダ-ゼ含有高分子膜センサ-としての応答性におよぼす高分子構造の影響" 日本膜学会誌.