1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550728
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 幹治 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (30011224)
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Keywords | アルミナ膜 / シランカップリング剤 / 疎水性膜 / 表面処理 |
Research Abstract |
アルミナ(95%)+シリカ(15%)系のセラミック膜の表面処理をトリメチルフロロシラン(TMS)とΑ-アミノプロピルトリエトキシシラン(α-APS)を用いて行った。シラン化処理の方法は適量のカップリング剤を溶かしたトルエン中に膜を浸漬し、110℃で24時間加熱した。処理膜へのカップリング剤導入量を炭素分析法により測定した所、TMS導入量は2.6分子/(nm^2)であった。改質した膜を粉砕し、各粒度ごとにTMS導入量を測定した場合、細粒のものほど導入量は多かった。これは膜として非対称膜を用いたためと考えられる。一方、α-APSの場合はα-APSがゲル化し、うまくシラン化ができなかった。 次にシリカ含有量15%の単層アルミナ膜を用いて、TMS導入量に及ぼす膜の前処理方法について検討した。シラノ-ル基を増加させるための前処理方法として、a)純粋洗浄、b)3N塩酸処理、c)オ-トクレ-ブ処理(0.5〜2N水酸化ナトリウム水溶液中)を用いた。その結果c>b>aの順でTMS導入量は多く、オ-トクレ-ブ処理の有効性が認められた。しかしながらその導入量は粉砕物の方が非粉砕物よりも多かった。 セラミック膜の酸性度をハメット指示薬とアミン滴定法により測定した結果、pk4.8における酸量は0.5個/nm^2であった。 ろ過特性に関連してTMS処理した膜への牛血清アルブミン(BSA)吸着量を測定するために、45〜90μmに粉砕した試料の吸着量の経時変化を調べた。処理膜と未処理膜を比較した結果、両者に大差はなかった。 以上の結果からシリカを含むアルミナ膜のTMS導入量は水酸化ナトリウム水溶液中でオ-トクレ-ブ処理することにより増加したが、BSAの吸着量に関しては未処理膜と差がないことがわかった。
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