1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550729
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西村 誠 岐阜大学, 工学部, 教授 (10021627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 芳行 岐阜大学, 工学部, 助教授 (60144002)
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Keywords | 蓄熱 / 相変化物質 / 輻射伝熱 / 太陽熱 / 温度分布 |
Research Abstract |
半透過性相変化物質(以後、PCMと略す)を用いた直接太陽熱蓄熱に関して、蓄熱屋根(水平平板系、傾斜平板系)、蓄熱壁(垂直平板)における蓄熱特性を明らかにするための屋外モデル実験に先立ち、屋内において、潜熱蓄熱材である半透過性PCMの水平、傾斜(30℃、60℃)及び垂直平板試料層をハロゲンランプにて一定時間加熱融解させ、その後自然冷却により凝固させる予備実験を行った。 この予備実験において、PCMの相変化に伴う体積変化と液相時の流動(自然対流)が測定上の問題となった。前者については、当初、弾性を有する側壁の採用を検討したが、これは製作上困難であるため、側壁に枝管を設置することにより対処した。後者については、温度測定点を3次元格子点とすることにした。予備実験の結果、固相部分では主に底面側から融解し、液相部分では自然対流が発生し、この対流が液相時の蓄熱過程に大きく影響を及ぼすことが認められた。 潜熱蓄熱に対する比較対象であり、液相時の蓄熱過程に相当する顕熱蓄熱について、半透過性液体であるシリコンオイルを用いた屋内実験を行った。この実験結果より、内部透過に伴って発生する層内自然対流は、液体の厚さ、光学的厚さ、動粘度、入射輻射熱量ならびに境界条件に依存することが認められた。また、設置角度により層内自然対流及び度合が異なり、温度分布等に及ぼす影響が明確になった。以上の検討において、層内自然対流と輻射の相互干渉効果が種々の因子と関連づけて定量的に明らかにされた。なお、顕熱蓄熱に関する検討を、化学工業会第55年会(平成2年4月)にて発表する予定である。屋外モデル実験は今春からの予定で建物屋上(地上約7m)において、日射量、気温、風速等の気象条件及び試料層の温度を連続記録できるようにし、現在、試料容器等を検討中である。
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