1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550736
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 毅太郎 京都大学, 工学部, 講師 (90026071)
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Keywords | 塗布操作限界 / 塗布欠陥 / 気泡同伴 / 気泡同伴開始速度 / 同伴気泡径 / 低粘度塗液 |
Research Abstract |
研究計画の初年度として、ロ-ル塗布試験機を購入し、低粘度塗液の場合について、1)気泡同伴点におけるメニスカス線のゆがみやゆれの気泡同伴に対する影響、2)同伴気泡の大きさや同伴気泡数(同伴空気流量の指標)、3)空気同伴開始点のロ-ル周速などを観察測定した。 ロ-ル周速が比較的低い場合には、ニップ部前後に生じるメニスカス線は、比較的外側にあり、その形状は直線的で安定しており、ゆれはない。しかし、ロ-ル周速をあげてゆくと、気泡同伴にかかわる入口側メニスカス線がニップ部の奥に後退するとともに、ある臨界速さを越えると、メニスカス線のわずか後方の所々から(ロ-ル巾方向に一様にではなく)沸騰するように激しく気泡が混入した。このとき、メニスカス線は、グロ-バルには直線状であるものの細かく波打ち振動したが、それは気泡同伴に影響している様子はなかった。 同伴気泡は、じん丹の粒程度に大きく、混入後はすぐ消滅したが、これは浮力の作用に依るものであろう。この場合、顕微鏡写真は撮れず、気泡の粒径分布や混入気泡密度の測定はできなかった。しかし、目による観察では粒径も同伴空気流量もきわめて大きいものであったが、浮力の作用によって気泡は液膜内に残留せず、この気泡同伴は塗布欠陥にはつながらないものと考えられる。但し、次年度に予定されている高粘度塗液の場合には、この問題は重要になることが予想される。 気泡同様の開始点に関する実験結果は、臨界Ca数-物性無次元数(σ^3ρ/μ^4g)の相関図において、既往の研究結果と同じ傾向を示したが、値は倍ほど高速側にずれた。これにより、同伴点近くの流れを抑制すれば、気泡同伴が始まる限界速度が高くなることが示された。
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