1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 雄志 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90029512)
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Keywords | 希土類元素 / 希土類金属イオン / 電気泳動分離 / 高度分離 / 連続分離 / 錯形成反応 |
Research Abstract |
通常3価である希土類金属イオンに配位子交換速度が速くかつ負の錯イオンを生成する反応を作用させると、その錯生成量に応じてイオンの価数を正から負に変えることができ、希土類イオンを見かけ上両性電解質に変換することができる。その結果、複数の希土類金属イオンが溶液中に存在していても、その錯安定度定数が異なれば有効電荷が異なるので、電気泳動法を適用することによって混合希土類を分離することができる。前年度は、混合希土類イオンの泳動分離シミュレ-ション解析と濾紙を用いた分離実証実験を行い、適切な条件を設定すれば原子番号の隣接した希土類に対しても100以上の分離係数が容易に得られることを明らかにした。このような高い分離係数は現在の工業的分離法である溶媒抽出法では達成されていない。本年度は、工業的な分離操作としての可能性を検討するために、薄層泳動槽を試作し、混合軽希土類(La,Ce,Pr,Nd)の分離実験を行った。ジュ-ル発熱による自然対流の発生を抑御するために、薄層平行平板型の流通系泳動槽を作製し、間隙にはガラスビ-ズを充填した。錯化剤にはEDTAを用い、上記4種の希土類の有効電荷の差ができるだけ大きくなるように溶液pH値を設定し、泳動槽中を流通させた。泳動槽の一部から混合軽希土を注入し、泳動・分離させる実験を行った。装置出口で分取した溶液をICPを用いて分析した結果、それぞれの希土類に対する濃度分布は標準偏差が同一のガウス分布となり、拡散係数には流通系充填層の有効拡散係数の相関式が適用できることが明かとなった。また、原子番号が隣接した希土類イオンの相対泳動距離は有効電荷に比例し、pH一定の支持電解質中でのゾ-ン電気泳動の理論的関係を支持する結果が得られた。これらの関係を用いると混合希土類の分離係数を解析的に求めることができる。本研究結果は、電気泳動装置工業化のための基礎資料として重要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 伊藤 龍象: "等電点電気泳動による希土類の分離" 化学工学論文集. 15. 690-694 (1989)
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[Publications] ITO,Ryuzo: "Separation of Rare Earth Elements by Electrophoretic Method" Proceedings of Symposium on Solvent Extraction. 95-100 (1989)
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[Publications] HIRATA,Yushi: "Continuous Separation of RareーEarth Elements by Electrophoresis" Proceedings of the International Symposium on Proceeding of Rare Metals. 61-64 (1990)