1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550740
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 嘉之 神戸大学, 工学部, 助教授 (70031094)
|
Keywords | 代替フロン / ハロゲン化炭化水素 / 輸送性質 / 粘性率 / 熱伝導率 / 圧力効果 |
Research Abstract |
前年度に引続き,本研究では成層圏におけるオゾン層の破壊などの環境問題に関与しない新しい代替フロン類の粘性率と熱伝導率を気液両相にわたり、精密に測定することを目的として研究を行った。気相の熱伝導率については、従来使用してきた装置に加えて、新しく非定常熱線型の装置を試作した。本年度の研究成果の概要は次の通りである。 1)気相の熱伝導率を測定するために,新しく非定常熱線型のセルを試作し,装置の健全性を295K,0.1MPaにおける空気を用いて確認した。新しく製作した装置で絶対測定したところ,空気の熱伝導率の最確値と3%以内で一致することが判明したので今後高圧下での測定を行う予定である。 2)同心円筒型セルを用いてHCFCー123および(HCFCー22+HCFCー141b)系の気相における熱伝導率を313〜343K,0.1〜2.7MPaの範囲で測定し,熱伝導率と温度,圧力との関係を表現する相関式を作成した。 3)気相の粘性率について,HFCー134aと(HFCー152a+HCFC142b)系について,常圧下293〜313Kで粘性率を測定し,混合気体の粘性率に関する推算法との比較を行った。 4)HFCー134aとHCFCー123について,世界各国で報告されている粘性率,熱伝導率に関する実測値を収集,整理,解析し,デ-タの比較を行った。一般に熱力学性質と比較して,粘性率や熱伝導率のデ-タは乏しく,また測定者による不一致が著しいことが判明した。今後はさらに世界のデ-タ収集を続け,最も確からしいデ-タに基づいて新しい代替フロンの輸送性質に関する最確値および最良相関式を作成する。研究の成果は国際エネルギ-機関のワ-クショップや国際会議で報告し,世界的に認可され得る物性値を統一的に管理し,各国に流布する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 松尾 成信,田中 嘉之,久保田 博信,蒔田 董: "高圧におけるHCFCー123a(CHClFーCClF_2)の密度と粘性率" 平成元年度日本冷凍協会学術講演会講演論文集. 1-4 (1989)
-
[Publications] 田中 嘉之,中田 雅己,久保田 博信,蒔田 董: "気相におけるHFCー134a,HFC143a,HCFC141b,HCFC142bの熱伝導率" 平成元年度日本冷凍協会学術講演会講演論文集. 9-12 (1989)
-
[Publications] Y.Tanaka,M.Nakata and T.Makita: "Thermal Conductivity of Gaseous HFCー134a,HFCー143a,HCFCー141b and HCFCー142b" Int.J.Thermophys.
-
[Publications] Y.Tanaka: "A Survey of the Available Transport Property Data of HFC134a and HCF123" International Energy Ageney,Annex18 2nd Workshop on “Thermophys.Prop.of the Environmenally Acceptable Rafrigerants" Heidelberg,Germany,Nov.20. (1990)
-
[Publications] Y.Tanaka,S.Matsuo,C.Takata and R.Yamamoto: "Thermal Conductivity of Environmentally Acceptable Alternatioes to Fully Halogenated chlorofluoro corbons" ChinaーJapan Chemical Engineering Conference Tianjin,China,24〜26 October. (1991)
-
[Publications] 日本冷凍協会・日本フロンガス協会代替フロン熱物性編集委員会(編)分担執筆: "代替フロン類の熱物性ーHFCー134a,HCFCー123ー(Thermophysical Propertios of Environmentally Acceptable FluorocarbonsーHFCー134a and HCFCー123)" 日本冷凍協会, 230 (1991)