1989 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧熱分解法によるビスマス系超伝導微粒子の直接合成
Project/Area Number |
01550748
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥山 喜久夫 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00101197)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 微粒子 / 噴霧熱分解法 / 気相法 |
Research Abstract |
セラミックス系超伝導体は、80K以上の高い臨界温度を示す高温の超伝導体として、その発見以来大きな関心を集めている。本研究では、超伝導の結晶相を持つ原料微紛の直接合成をめざして、気相中での原料金属塩水溶液の噴霧、液滴の蒸発および反応からなる噴霧熱分解法によりBi-Ca-Sr-Cu-O系の酸化物超伝導微粒子の新しい製造プロセスを開発し、得られた微粒子の特性について検討したところ、以下のことが明らかにされた。 1.生成された微粒子は、組成ずれがなく、ほぼ球形で、粒径は比較的揃っており、平均粒径は容易に制御でき、約0.4μmから2.0μmの範囲で噴霧溶液濃度の約1/3乗に比例した。 2.X線回折パタ-ンと帯磁率の測定から、キャリアガスに窒素を用いた場合は800から810℃の範囲で、キャリアガス中の酸素分圧を1/13気圧とした場合は840℃で80K相の微粒子が直接合成された。また平均粒径の大きいものほどX線回折パタ-ンのピ-ク強度が強く、帯磁率の変化量が大きくなった。 3.焼結体の比抵抗の温度依存性の直流四端子法による測定結果より、80〜110Kで比抵抗がゼロとなった。 4.5段の円筒型の電気炉を製作し、電気炉の温度分布を変えて、微粒子を製造し、温度分布による微粒子の温度分布による物性の変化を検討したところ、微粒子の形態が容易に制御されることが分かった。 本研究で得られたビスマス径の酸化物超伝導の微粒子製造法は、溶液の濃度により、粒径を0.1μmから3μmの範囲で変化できる見通しが得られ、製造時間が秒オ-ダ-と非常に迅速であるため、非常に有用であるとの評価を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 奥山喜久夫: "エアロゾル反応器による酸化物超伝導微粒子の製造" 粉体工学会誌. 36. 146-150 (1989)
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[Publications] Noboru Tohge: "Direct Preparation of Fine Powdors of the 80K-Superconducting Phase in the Bi-Ca-Sr-Cu-O system by Spray-Pyrolysis" Jpn.J.Appl.Phys.28. L1175-L1178 (1989)
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[Publications] Noboru Tohge: "Preparation of Superconducting Fine Particles in the Bi-(Pb)-Ca-Sr-Cu-O System Using the Spray-Pyrolysis Method" Journal of Materials Science: Materials in Electronics. 1. (1990)