1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01550751
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
八木 秀治 関西大学, 工学部, 助教授 (70109891)
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Keywords | コアセルベ-ション / バイオセパレ-ション / ペプチド / 酵素反応 / レオロジ- |
Research Abstract |
当初の実施計画に沿い研究を行なったところ、以下の事が明らかになった。 1.分離工学的観点からのコアセルベ-ション ゼラチン一塩一水系コアセルベ-ションは水性2相分配法と比較し、安価である点、高温で操作できる点、平衡相へのゼラチンの溶解が少ない点で異なる。分離能があれば、その特徴を生かす用途があるはずである。何種類かの生化学物質を添加し、コアセルベ-ト相と平衡相への分配実験を行なったところ、アデニンとセルラ-ゼはコアセルベ-ト相に濃縮されるがグルコ-スは低濃度域を除き、両相にほとんど同濃度で溶解していた。またセルラ-ゼを添加するとコアセルベ-ションの発生する条件が変化することが分かった。 平成2年度に予定しているコアセルベ-ションを利用するセルロ-スの糖化反応についての試験的実験も開始した。 2.ペプチドの高分子化における分子量およびレオロジ-的物性の経時変化 大豆タンパク質より得たペプチドを基質としてα-キモトリプシンによる高分子化反応を行なったところ、一旦、低分子化した後高分子化すること、高分子化が始まる時点より次第に液の非ニュ-トン性が著しくなることが分かった。最終的に得られたゲル状物質の分子量は76000であった。基質であるペプチドの製造法に改良を加えたところ生成速度は速くなったが、収率は本質的にきわめて低いことが分かった。攪拌の影響を調べたところ、静置状態に近い条件下を除き、高分子化は起こらず、ゲル化もしなかった。
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