1989 Fiscal Year Annual Research Report
液膜法によるパラジウムの新しい分離精製法に関する基礎的研究
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01550760
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 和生 九州大学, 工学部, 助教授 (30038096)
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Keywords | 液膜分離 / パラジウム / 高度分離法 / ジアルキルモノチオリン酸 / トランス効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は希少金属であるパラジウムの従来法に代る新しい分離精製法を実用化するための基礎的知見を得ることであり、本年度の研究成果の概要は次のようである。 1.液膜のキャリア-としてイオウを配位原子とする3種類のジアルキルモノチオリン酸を合成した。 2.これらのキャリア-とパラジウムとの間で形成される錯体組成についてモル比変化法および抽出平衡実験に基づき検討した結果、パラジウムとキャリア-の比が1:2の組成の錯体が形成されることがわかった。この結果は3種類のジアルキルモノチオリン酸について同様であった。 3.各キャリア-を抽出試薬として平面接触型攪拌槽を用いてパラジウムの抽出速度を測定した。抽出速度に及ぼす各化学種濃度の影響を検討した結果、パラジウムの抽出機構を明らかにすることができた。すなわち、パラジウムの抽出は水相中に存在する4種のクロロパラジウム錯体と界面に吸着しているキャリア-との界面反応により1:1錯体が形成される過程が律速であることを明らかにした。しかしながら、アルキル鎖の短かいジブチルモノチオリン酸の場合は水相中における上記反応も無視できないことも明らかとなった。また、チオシアン酸イオンを添加した系では抽出速度が加速され、これはトランス効果により説明された。 4.チオ尿素によるパラジウム錯体の逆抽出速度を測定した結果、界面に吸着しているパラジウム錯体とチオ尿素および有機相中でのパラジウム錯体とチオ尿素との両反応が総括の逆抽出速度に影響を与えることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 近藤和生: "Kinetics of Solvent Extraction of Palladium with Didodecylmonothiophosphoric Acid" Journal of Chemical Engineering of Japan. 22. 269-274 (1989)
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[Publications] 近藤和生: "Trans-Effect of Thiocyanate Ion on Extraction Kinetics of Palladium with Didodecylmonothiophosphoric Acid" Journal of Chemical Engineering of Japan. 23. (1990)