1989 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ポリマ-を骨格物質とする機能性マイクロカプセルの合成とその性質
Project/Area Number |
01550761
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 講師 (60160222)
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Keywords | 複合マイクロカプセル / 外皮膜 / 内皮膜 / in situ重合 / 界面重合 / ポリスチレン / 多孔質膜 |
Research Abstract |
1.マイクロカプセル製造法の確立 以下の方法で外壁がポリウレタン、内壁がポリスチレンよりなる平均径50〜300μmのマイクロカプセルを調製した。イソオクタン、スチレン、ラジカル重合開始剤、ヘキサメチレンジイソシアナ-トとヘキサントリオ-ル3:1モル比混合物、ジブチル錫ラウレ-ト(縮重合触媒)及びアセトンを含む有機相を第三リン酸カルシウム超微小粒子(分散安定剤)を含む水相に分散させた。低温度下でpHを調製して油滴界面で界面縮重合を進行させ、外皮膜(ポリウレタン膜)を形成させた。次に、温度を上昇させる事で、油滴内でin situ重合を進行させ、内皮膜(多孔質ポリスチレン膜)を調製した。重合の進行度はガスクロマトグラフによって測定した。 2.マイクロカプセルのキャラクタリゼ-ション 上述の方法で得られたマイクロカプセルにつき、光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、粒径分布を測定し、操作条件との関連につき検討した。その結果、モノマ-初濃度は粒子径にほとんど影響を及ぼさないが、攪拌速度、分散相分率は粒子径に大きな影響を及ぼす事がわかった。また、得られたマイクロカプモルの電気的特性、熱的特性及び芯物質の透過特性を、おのおのブロ-オフ法、TDA法及びブタノ-ル中への芯物質の溶出速度を測定する方法で求めた。その結果、電気的特性や熱的特性にはモノマ-初濃度や開始財濃度或いは添加剤(染料等)の影響が極めて大きい事、また透過係数についてはモノマ-初濃度や粒子径の影響が大きい事を明らかにした。マイクロカプセルの感圧特性を加圧ロ-ラ-で測定し、架橋剤の有無が感圧特性に最も大きく影響を及ぼす事を明らかにした。
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