1989 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリとメロンの光合成産物転流経路における糖代謝機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
01560025
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
金浜 耕基 山形大学, 農学部, 助教授 (00113936)
|
Keywords | メロン / 維管束走向 / 光合成産物 / 転流物質 / 転流経路 / 小糖類 |
Research Abstract |
メロンの第一次側枝第一節に雌花を1花着生させ、他の雌花、雄花、側枝及び主茎と側枝の頂端部を摘除した株を供試した。残した第一次側枝の第一節位葉に^<14>CO_2を施与し、^<14>C-光合成産物の転流経路上の転流物質を調べた。その結果、次の5点が明らかになった。 1.メロンにも葉序の左右性に従った器官配列の左右性が存在する。 2.葉、茎、果実の維管束走向は他のウリ科野菜(キュウリなど)と相同性が認められる。 3.葉から果実への光合成産物の転流は果托の特定の維管束を経由して果実内部に至る。 4.メロンの葉柄、茎の中での転流物質である小糖類は果実内面にも認められ、特に果実内部の転流経路上にある維管束部分にはかなりの高い濃度で小糖類が存在する。 5.果実内の糖組成は、転流経路上において、時間の経過に従って、周辺の柔組織と同じようにスクロ-ス割合が高くなる。 以上の結果、メロンの転流物質である小糖類は、これまで言われていたような果柄で特異的に分解されることはなく、果実の内部にもかなりの程度転流していることが明らかになった。果実の内部においても、転流経路に従って進むほど、時間が経過するほど、徐々に分解されて、スクロ-スとして蓄積することが明らかとなった。 上記の結果について、園芸学会で2報に分けて発表した。
|