1989 Fiscal Year Annual Research Report
メロンがんしゅ病の病原菌の同定と発生生態に関する研究
Project/Area Number |
01560059
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
吉田 政博 九州東海大学, 農学部, 助手 (80158469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 研三 九州東海大学, 農学部, 教授 (50153606)
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Keywords | メロンがんしゅ病 / Streptomyces / 同定 / 選択分離 |
Research Abstract |
1.メロンがんしゅ病病原放線菌の同定 Bergey'Manual of Determinative Bacteriology第8版の検索表より、本菌と同じくメラニン様色素を産生せず、胞子表面が平滑、気菌糸の色調が灰色系、胞子鎖がSpiraの性質を有する菌群の中から、近似菌5種と、疑似胞子のうを形成する1種の合計6種にStreptomyces属菌を選出し、18種の炭素源の資化性と9項目の生理生化学性状およびメロンに対する病原性について本菌と比較検討した。その結果、全ての菌種でのDーマンニト-ルの利用性をはじめ、各菌種において2〜6種の炭素源の利用の有無で相違が認められた。また、キサンチンの溶解と耐食塩濃度においても全ての菌種と異なっており、比較した6菌種はメロンへの病原性も認められなかった。従って、本菌は比較した菌種とは明かに異なっており、これまでの見解では所属菌種に該当するものは存在しないようであるが、今後分類体系の改訂にともなう見直しも必要であろう。 2.がんしゅ病菌の選択的分離方法 がんしゅ病菌の生育が良好で、しかも瘤組織より選択的に本菌を分離する方法を検討した。まず、分離基倍地では、13種のうち素寒天倍地,アルブミン寒天倍地,ワックスマン培地で本放線菌の出現は良好であり、汚染細菌も局限性を示すコロニ-を呈した。分離源に対する処理では、0.01NNaOH溶液によるアルカリ処理の効果は、30分処理まで、病原放線菌の生存率が汚染細菌の生存率を上回ったが、その差は小さかった。フェノ-ル処理では、120〜200倍液の処理において同様に病原放線菌の生存率の方が高い値を示し、特に140倍液でその差は著しかった。分離培地に抗生物質を添加することによる汚染細菌の抑制効果を、14種類の物質について検討した結果、500ppmのデヒドロ酢酸ナトリウムとカナマイシンの10〜50ppmにおいて比較的高い効果が認められた。
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