1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560071
|
Research Institution | Faculty of Agriculture, Gifu University |
Principal Investigator |
園田 洋次 岐阜大学, 農学部, 教授 (80021682)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 徹夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (50021720)
|
Keywords | 硝酸態窒素 / 洪積台地 / 地下水汚染 / 肥料成分 / 降雨量 / ボ-リング調査 / 地下水の方向法 |
Research Abstract |
硝酸態窒素による地下水汚染が進行している各務原洪積台地(濃尾平野の一端)を調査対象として広範囲にわたり地下水汚染の実態調査を実施し,その汚染原因について究明した。 調査結果より,1).単に硝酸態窒素成分のみでなく土壌へ施用されたとみなされる加里,石灰及び苦土成分について層位別に地下水ならびに土壌を測定したが,これら肥料組成分は硝酸態窒素とほぼ類似の動態パタ-ンを示すことが明らかになった。 2).採水地点において過去に肥料成分として投与された硝酸態窒素の施用総量を試算し,現状の地下水中の硝酸態窒素濃度分布と比較検討した結果,両者間に正の相関性の存在することが認められた。 3).降雨量が比較的多い4月から7月期にかけて降水量と地下水中の硝酸態窒素成分濃度との関連性について深度別に調査した結果,各地点とも概して降雨後では地下水中の硝酸態窒素量を高め,かつ降水量との間に量的相関性の存在することが認められた。 また,多量の降雨後では硝酸態窒素濃度を著しく高める傾向が示され,地下深5mでは10ppm,30mでは20ppmの濃度上昇をきたしている。この地下深5mにおいて硝酸態窒素濃度が高い値を示している点から表層より深さ5mまでの層位間に硝酸態窒素源となりうる汚染物質の存在が示唆され,降雨量が多量の場合には溶脱量を高め,採水地点付近に集積されるものと推察された。 4).ボ-リング工事によりさらに1箇所増設し,時期別の地下水流の方向性と流速について調べ,硝酸態窒素成分の汚染速度とその拡大範囲について吟味したが,とくに明確な傾向は認められなかった。 以上,得られた研究成果より表層部における硝酸態窒素富化が一次的汚染源として推察され,富化物質として各種窒素質肥料を推定するにいたった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 小瀬 洋喜,横山 卓雄,園田 洋次: "各務原台地の地下水汚染(1)" 水. 2. 69-72 (1991)
-
[Publications] 小瀬 洋喜,横山 卓雄,園田 洋次: "各務原台地の地下水汚染(2)" 水. 3. 61-65 (1991)
-
[Publications] 小瀬 洋喜,横山 卓雄,園田 洋次: "各務原台地の地下水汚染(3)" 水. 4. 65-72 (1991)
-
[Publications] 小瀬 洋喜・横山 卓雄・園田 洋次 ら: "各務原台地の地下水汚染" 日刊工業新聞社, 407 (1990)