1989 Fiscal Year Annual Research Report
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01560072
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 重方 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023450)
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Keywords | 根粒菌 / 根粒着生 / 窒素固定 / 抗生物質 |
Research Abstract |
本研究では土着根粒菌による根粒着生を種子に粉衣処理あるいは塗布処理をした薬剤によって抑え、かつ、処理薬剤に対して耐性をもつ根粒菌を接種菌として用い、安定した根粒菌接種効果を上げることを目的としたものである。 したがって、接種根粒菌は高い窒素固定能をもち、かつ薬剤耐性をもつ菌株であることが必要となる。ここでは、供試マメ科作物としてダイズ、インゲン、アルファルファを選び、以下の試験を行った。 アルファルファ:収集した多数のアルファルファ根粒菌株の窒素固定能をレオナ-ド法を用いて調査するとともに、それらの菌株の抗生物質耐性(ペニシリン、ストレプトマイシン、カスガマイシン、ノポビオシン)を比較検討した。その結果、アルファルファ根粒菌株はノポビオシン以外の抗生物質に耐性を持つものが多く存在するが、ノポビオシン耐性のものはきわめてまれであった。また、供試菌株の中から比較的高い窒素固定能を示すNo6.耐性菌が3株存在することが明らかとなった。現在、それら耐性機能の強化を行うとともに、接種用のアルファルファ根粒菌の培養に関する試験を行っている。 インゲン:インゲンには窒素固定能の高い有効根粒菌株が少ないと言われているため、それを入手することを目的として立地環境を異にする種々の農耕地からインゲン根粒菌を収集し、その窒素固定能を調査した。その結果、インゲン根粒菌の分布は広いが、比較的高い窒素固定能を示す菌株が畑地に局在すること、しかし、その能力は窒素経済上価値を認めるほど高くないことが明らかとなった。また種子殺菌剤として広く利用されているTMTOに対してインゲン菌は高い耐性を示すことを明らかにした。ダイズ:既存のカスガマイシン耐性菌株を用いて、接種効果の改善に関する試験を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 礒井俊行: "Effect of thiran(tetranthyl-thiuram disulphide)application on the nodulation in Soybeen and Kidnoy bean Plants:An Obseruation using a root-box-culture technigue" Soil Sci.Plart Nutr.,. 34. 633-637 (1988)
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[Publications] 礒井俊行: "各種農耕地および未耕地におけるインゲン根粒菌の分布と根粒着生および窒素固定能" 土肥誌. 60. 451-453 (1989)
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[Publications] 礒井俊行: "Growth,noduletion and nitrogen fixation of saybean seed-treated with Kasugamycin" Soil Sci.Plant Nutr.,. (1989)
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[Publications] 鬼頭誠: "緑葉脱タンパク上澄液の農業利用(第1報)アルファルファ緑葉脱タンパク上澄液の根粒菌培地としての利用" 土肥誌. (1989)
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[Publications] 鬼頭誠: "緑葉脱タンパク上澄液の農業利用に関する研究(第2報)アルファルファの生育・窒素栄養に及ぼすアルファルファ緑葉脱タンパク上澄液の施用効果" 土肥誌. (1989)
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[Publications] 鬼頭誠: "アルファルファ生育および窒素栄養に及ぼす土壌水分環境の影響" 日作記.
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[Publications] 吉田重方他: "粗飼料・草地ハンドブック-土壌と肥料-" 養賢堂・高野信雄監修, 49 (1989)