1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 雅広 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (10160772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 英明 京都大学, 農学部, 助手 (20208804)
間藤 徹 京都大学, 農学部, 助手 (50157393)
佐藤 光 九州大学, 農学部, 助教授 (70128031)
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Keywords | イネ / NーメチルーNーニトロソウレア / Oryza sativa / 耐塩性 / 突然変異 / ナトリウム吸収 / 受精卵処理 / インディカ種 |
Research Abstract |
インディカ品種IR36の受精卵のNーメチルーNーニトロソウレア処理によって得られた突然変異体のM3の種子を用いて耐NaCl性個体の選抜を行った。第3葉の展開した実生を85mM NaClを含む水耕培養液中で、28℃,10,000lux、明暗期それぞれ12時間の条件に設定した人口気象室内で栽培し、2週間後生存する個体の選抜を行った。しかし、IR36の場合、ジャポニカ品種の金南風やTaichung65の場合と異なり、この選抜条件ではほとんどの個体が生存することが判明した。これは生長速度が早いもの(または分けつ速度の早いもの)がNaCl耐性を示すという申請時に判明した実験結果を支持するものであった。そこでIR36から誘発した突然変異体の耐NaCl性個体の選抜条件の検討を行った。検討した選抜方法ではNaCl濃度を85mMから120mMに上げ、第3葉展開実生に変えて第4葉の展開した分けつ直前の実生を用いることとし、自然条件下で栽培した。3週間後生存する個体の重量を測定し、原品種IR36と比較して相対生育量の大きい個体を耐NaCl性個体として選抜した。用いた系統数は405でその中から28系統50個体が原品種IR36より良好な生育を示した。これら選抜された個体のほとんどは分けつが良好であることが判明した。また、IR36よりも生育の悪い個体も存在することから受精卵処理によって得られた突然変異体には耐NaCl性の形質に関しても幅広い変異が存在することが示唆された。これらの選抜した個体はNaClを含まない水耕培養液に移し、結実させて穂別の収穫した。これらの個体はすべて良好な稔実をした。今後さらにこれらのM4種子を用いて耐NaCl性個体の選抜を繰り返し、そして得られるより強い耐NaCl性個体におけるNaClの吸収特性を明らかにすることによって、これらの個体がインディカ型耐塩性イネ育成の遺伝子素材として供与出来るようになるものと期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Matoh: "Saltーtolerance mechanisms of a halohhyte Atriplex gmelini" Proceedings of the XXII Yamada conference on plant water relations and growth under stress. 167-170 (1989)
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[Publications] 佐藤 光: "稲学大成遺伝編葉緑体(pp242ー248)" 農山漁村文化協会, 795 (1990)