1990 Fiscal Year Annual Research Report
リピド中間体生合成に働くヒト・マンノ-ス転移酵素活性関連遺伝子のクロ-ニング
Project/Area Number |
01560109
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Research Institution | The Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
西川 義尚 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 研究員 (20109953)
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Keywords | GRP78 / Bip / オリゴ糖ーリピド / オリゴ糖転移酵素 / 糖転移酵素 / cDNA / 変異株 / アスパラギン結合型糖鎖 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
G258株は単一変異で細胞増殖に関する温度感受性とリピド中間体(LI)生合成に関する温度感受性(高温でMan_3GlcNAc_2ーPPーDolを蓄積)を示す。この性質を利用して、昨年度から、G258株の細胞増殖の温度感受性からの回復を指標に、G258株のLI生合成変異に相補的なcDNAの分離を試みた。そして、昨年度に引続き、今年度は、40株余の第一次形質変換株の候補株を得たが、それからの第二次形質変換株の分離には成功しなかった。今後は第二次形質交換株の分離法と用いるcDNAライブラリ-について検討する。今年度は、G258株のLI生合変異が細胞増殖停止をもたらす機構に関する研究も行った。そして下記の結果を得た。1.G258株が高温で蓄積する不完全糖鎖のLIからは、新生中の蛋白のアスパラギン残基へ糖鎖を転移できない。ところでG258株が高温で蓄積するMan_3GlcNAc_2ーPPーDolは粗面小胞体(rER)膜の細胞質側に存在することが示されており、rER膜のル-メン側に活性部位をもつオリゴ糖転移酵素とは局存性を異にするので、同酵素に認識されないと考えられる。そのことが、G258株が高温で蛋白に糖鎖を転移できない理由と考えられる。 2.蛋白のfoldingやassemblyが阻害された際に、それらをrERに捕捉し、ゴルジ体への移行を抑えることが知られているBipが、高温でのG258株で誘導合成されることを見いだした。以上、1、2の結果から、現在、次のように考えている。G258株は高温では、上述の理由から蛋白に糖鎖を転移できない。その結果、糖鎖を欠いた(糖)蛋白のfoldingやassemblyが異常となり、そして、Bipに捕捉され、細胞内輪送等が阻害され、正しく機能発現できず、細胞の増殖が抑えられるのであろう。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 西川 義尚: "糖タンパクの細胞内輪送に於けるアスパラギン結合型糖鎖の機能" 日本農芸化学会誌. 64. 930-935 (1990)
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[Publications] Nishikawa,Y.: "An FM3A mutant,G258,with a mutation that affects both cell growth and oligosaccharideーlipid synthesis." Biochimica et Biophysica Acta. 1091. 135-140 (1991)
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[Publications] Sarker,M.: "Molecular cloning and expression of cDNA encoding the enzyme that controls conversion of highーmannose to hybrid and complex Nーglycans:UDPーNーacetylglucosamine:αー3ーDーmannoside βー1,2ーNーacetylglucosaminylーtransferase I." Proceedings of the National Academy of Science,U.S.A.88. 234-238 (1991)
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[Publications] 西川 義尚: "[ ^3H]マンノ-スを用いたトリチウム自殺法による糖鎖生合成変異株の濃縮" 蛋白質・核酸・酵素 増刊号「分子細胞遺伝学実験法」. (1991)
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[Publications] 西川 義尚: "糖蛋白のアスパラギン結合型糖鎖生合成に関する変異株" 蛋白質・核酸・酵素 増刊号「分子細胞遺伝学実験法」. (1991)
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[Publications] Nishikawa,Y.: "Induction of glucoseーregulated proteins at nonpermissive temperature in a mouse temperatureーsensitive mutant G258,defective in oligosaccharideーlipid synthesis." 投稿中.
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[Publications] 西川 義尚: "蛋白のアスパラギン残基へのオリゴ糖転移" BIOmedica. (1991)
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[Publications] 西川 義尚: "日本生化学会編「新生化学実験講座」第3巻「糖質」I.糖タンパク質(下)[鈴木 旺、山科郁男、大沢利昭、木幡 陽、永井克孝編]§11.1.3.「Nーアセチルグルコサミンの導入」P.458〜474" 東京化学同人, 861 (1990)
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[Publications] 西川 義尚: "日本生化学会編「新生化学実験講座」第3巻「糖質」I.糖タンパク質(下)[鈴木 旺、山科郁男、大沢利昭、木幡 陽、永井克孝編]§11.1.6.「オリゴ糖転移」P.485〜496、" 東京化学同人, 861 (1990)
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[Publications] 西川 義尚: "市川 厚他編「生物薬科学実験講座」第1部「生体構成成分と高分子」4.「糖質」ー第2巻「糖タンパク質実験法」(川嵜敏祐編)6ー2「ドリコ-ル中間体の生合成」" 広川書店,