1989 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌oriCおよびterC領域を含む複合体の構造と機能
Project/Area Number |
01560117
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 和夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (00011974)
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Keywords | 大腸菌 / 染色体複製開始 / oriC / グリコ-ゲン / グリコ-ゲン・シンタ-ゼ / 複製 |
Research Abstract |
1.大腸菌染色体複製開始過程の温度感受性変異株PC2(dnaC2)の培養温度を変化させることにより、染色体複製に関して同調化した。複製開始直後の菌体を集め、フレンチプレス破砕、超遠心分画、塩化セシウム密度勾配遠心を経て、目的とする染色体複製開始領域(oriC領域)を含む複合体(oriC複合体)を必要量調製した。 2.1で得たoriC複合体画分のSDS処理により蛋白成分を変性可溶化し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画したところ、分子量75Kdならびに55Kdに相当する部分に蛋白バンドが存在することを認めた。両蛋白バンドをナイロン膜上に移行させ、そのアミノ末端アミノ酸配列を固相法アミノ酸シ-クエンサ-を用いて解析した。75Kd領域の蛋白については明瞭な特定アミノ酸のピ-クが認められず、その配列が決定出来なかったが、55Kd蛋白は9アミノ酸残基についてMet-Gln-Val-Leu-(His)-Val-Xaa-(Ser)-Glu-(Xaaは解析不能だったもの,()はやや信頼度に問題があったもの)と推定された。 3.2で得られた55Kd蛋白のアミノ酸配列を既知の蛋白と比較したことろ、グリコ-ゲン・シンタ-ゼ(GS)のアミノ末端配列Met-Gln-Val-Leu-HIs-Val-Cys-Ser-GOu-とほぼ一致することが判明した。 4.oriC複合体とほぼ一致する画分にグリコ-ゲンが存在したことから、GSはグリコ-ゲンと複合体を形成し沈降したものと考えられた。 5.1で得たoriC複合体中のDNAをプロ-ブとし、染色体全域をカバ-するλファ-ジクロ-ンとハイブリダイズさせたところ、顕著なスポットはoriC領域を含むクロ-ンとの間にのみ認められ、他の特定領域は含まれないことが推定された。
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