1989 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸、タンパク質のグリケ-ションによる反応生成物のマクロファ-ジ活性化
Project/Area Number |
01560136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早瀬 文孝 東京大学, 農学部, 助手 (80105246)
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Keywords | マクロファ-ジ活性化因子 / マクロファ-ジレセプタ- / メイラ-ド反応 / 3-デオキシグルコソン / メラノイジン / グリケ-ションタンパク質 |
Research Abstract |
1.グリシン-グルコ-ス系メラノイジン(分子量1000〜5000)に対するC3Hマウス腹腔マクロファ-ジ(Mφ)の応答を調べた結果、100〜1000g/mlの濃度でグルコ-ス消費量は有意に増大した。しかし、アミノ酸(グリシン、リジン、アルギニン)-糖(グルコ-ス、キシロ-ス)系反応溶液に対するMφによるインタ-ロイキン1の分泌や抗腫瘍活性は認められなかった。上記の系に存在する3-デオキシグルコソン(3DG)について試験した結果、Mφに対して、細胞障害性が認められた。 2.上記の系ではMφ活性化因子を特定することはできなかった。今後上記と異なる系で、Mφ活性化因子を精査する予定である。 3.^<125>IラベルしたBSA-グルコ-スおよびBSA-3DG系を用い、生理条件下で反応させ、各反応溶液のRAW264.7細胞株あるいはチオグリコレ-ト誘導腹腔Mφへの取り込みを放射能を測定して調べた。その結果、グルコ-ス修飾BSAの場合には、3日間反応させたものが、MφあるいはRAW264.7によって未修飾BSAと比較して取り込み量の増加が認められたが、さらに反応が進行しかものでは、逆に取り込み量が減少した。また、蛍光標識させたBSAを用いたMφ取込み実験の結果でも同様な傾向を示した。一方、3DG修飾BSAの取り込み量は14日目までの反応の進行に伴い増加した。以上の結果から、Mφのレセプタ-に対してグルコ-スあるいは3DG修飾BSAが親和性を現わすには、タンパク質の後期段階グリケ-ションが必要である。しかし褐変反応が進行し過ぎると逆に親和性が減少することによって取り込みが少なくなると考えられた。そこでメイラ-ド反応後期段階生成物のピロ-ルアルデヒド(PL)修飾したBSAを用い、Mφへの取り込みを調べた結果、取り込みは認められなかった。従って、BSAはメイラ-ド反応によりMφへの取り込みが起こり、そのリガンドはPL以外の3DG修飾部位によると推察された
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Research Products
(1 results)