1989 Fiscal Year Annual Research Report
生体触媒固定化電気化学リアクタ電極の開発に関する基礎的研究
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01560150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 篤治 京都大学, 農学部, 助教授 (40026422)
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Keywords | バイオカタリスト電極 / 酵素固定化電極 / 電気化学リアクタ / エレクトロカタリシス / 接触電解酸化 / 酸化還元酵素 / NAD@NADH電解 / 細胞膜タンパク質 |
Research Abstract |
1.NAD/NADH系。Bacillus Stearothermophilus 由来のジアホラ-ゼを用い、各種ナフトキノン類についてその酵素と電極間の電子伝導メディエ-タ能を調べた。その結果メチルナフトキノン(ビタミンK3)が最も良好なメディエ-タとして働くことが分かった。このメディエ-タの電極上への保持には、申請者がこれまで他の系で用いていた電極練り込み式が大変有効であることが分かった。この電極はNADHのNADへの電気化学変換系に用いることができる。この酵素はまたリボフラビンを良い電子受容体とすることを新しく見いだした。その反応のキネテイックスの詳細を分光法を用いて検討中である。その結果をふまえてエディエ-タとしての可能性を調べる予定である。 2.細胞膜デヒドロゲナ-ゼ系。Gluconobacter の細胞膜画分からなる脂質を含む粗酵素フルクト-スデヒドロゲナ-ゼの電極表面への固定化を試みたところカ-ボンペ-スト電極のような疎水性の電極表面に吸着固定が可能であることが分かった。この電極はp-ベンゾキノンなどをメディエ-タとしてフルクト-スを電解酸化することが出来る。この電極はまた電流密度は小さいがメディエ-タ無しでもフルクト-スの接触電解酸化を低い過電圧で行うことが出来ることを見い出した。反応の詳細についても現在検討を進めている。 3.光合成膜系。ホウレンソウチラコイド膜から光合成系II膜画分を取り出しカ-ボンペ-スト電極に沈着固定するとこの電極はディメチルキノンなどをメディエ-タとして水を光化学電解出来ることが分かった。
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[Publications] 池田篤治: "キャプロテイン-及びフラボプロテイン-デヒドロゲナ-ゼを用いるアンペロメトリックバイオセンサ-" 分析化学. 38. 583-588 (1989)
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[Publications] 池田篤治: "Amperometric response to reducing carbohydrates of an enzyme electrode based on oligosaccharide dehydrogenase." Analytica Chimica Acta. (1990)