1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560152
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河津 一儀 岡山大学, 農学部, 教授 (30026520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 浩 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60183787)
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Keywords | クラウンゴ-ル / ポテトディスク法 / 植物形質転換阻害 / Julichrome Q1・3 / Julimycine BーII / Agrobacterium tumefaciens / オクトピン / ノパリン |
Research Abstract |
1.昨年度 Agrobacterium tumefaciensによる植物の形質転換を特異的に阻害する物質としてJulichrome Q1・3及びJulimycin BーIIを放線菌の培養液から単離した。ポテトディスクに本菌を接種して,12〜24時間後にこれらの化合物を投与したところ,形質転換の阻害がほとんど観察されず,正常なクラウンゴ-ルが生成した。このことからこれらの化合物は形質転換のいずれかの段階に作用するものであり,形質転換した細胞には阻害を示ないことが判った。 2.上記の結果より,ポテトディスクの形質転換は12〜24時間以内に終了していることが推測されるが,その直接の証明として形質転換の指標であるオパイン生成を確認することが必要となった。まず,本研究で使用している A.tumefaciensによって生成したジャガイモのクラウンゴ-ル細胞が生産するオパインの種類を,濾紙電気泳動法で検討したところオクトピンとノンパリンが同定された。この2種のオパインを同時に生成しているクラウンゴ-ル細胞はこれまで知られておらず,興味深い知見である。 3.上記の濾紙電気泳動法は定量性に欠けるため,形量転換の初期段階におけるオパインの微量な生成を確認することはできない。そこで新しいオパインの定量法を考案した。オクトピン,ノパリンはアルギニン由来のアミノ酸であるため,グアニジノ基を有している。ベンゾインが,グアニジノ化合物と反応し,蛍光物質であるアミノー4,5ージフェニルイミダゾ-ル誘導体を生成することに着目し,この誘導体をHPLCで分離する定量法を確立した。この方法により,形質転換における微量なオパインの生成を経時的に追跡することが容易となり,アグロバクテリウム接種後形質転換が完了するまでの時間経過を明らかにすることが可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoru Kawai: "Inhibitory Effect of Oxazolomycin on Crown Gall Formation" Agric.Biol.Chem.53. 1127-1133 (1989)
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[Publications] S.Kawai: "A bacterial extracellular polysaccharide which enhances the attachment of Agrobacterium tumefaciens to the plant cell surface" Experientia. 45. 201-202 (1989)
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[Publications] Kazuyoshi Kawazu: "Isolation and Structure Neoannonin,a Novel Insecticidal Compound from the Seeds of Annona squamosa" Agric.Biol.Chem.53. 2719-2722 (1989)