1989 Fiscal Year Annual Research Report
海藻の遊泳性配偶子における付着刺激による性誘引物質の生成と放出
Project/Area Number |
01560153
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梶原 忠彦 山口大学, 農学部, 教授 (90035121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 健二 山口大学, 農学部, 助手 (90199729)
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Keywords | 雄性配偶子誘引物質 / 揮発性成分 / 褐藻 / カヤモノリ / ディクチオプテレンA / ホルモジレン / エクトカルペン |
Research Abstract |
褐藻カヤモノリの配偶子は雌雄ともに遊泳性で形態学的にも全く差異がなく、両者の識別は遊泳時間の長短および匂いの有無によってのみ可能である。ここでは、このタイプに属する褐藻の雄性配偶子誘引活性物質を検索することを目的とした。 成熟したカヤモノリ(Scytosiphon lomentarius)は下関市彦島で5月に採取した。まず雌性藻体を選別するために藻体の一部を切り取り、そのものを(3000ルックス、12℃)、冷暗処理(5℃、5時間)した。このものを冷海水に浸し、放出された配偶子が器壁に付着したことを確認した後に匂いを嗅ぎ芳香を有するものを雌性藻体とし、無臭のものは雄性藻体として選別した。雌性藻体を直接抽出用フラスコの冷海水に浸漬し、放出された配偶子が器壁に付着するのを待って、閉環式ヘッドスペ-ス法などによって抽出を開始した。得られた揮発成分は、合成品を併用して、GC(BD-1,0.25mmφ×60m)およびGC-MS分析した。その結果、藻体から放出された雌性配偶子は、遊泳中には匂い物質を分泌することなく器壁に付着したときに、雄性配偶子を誘引するために〔Dictyopterene A,ホルモジレン(Dictyopterene B)エクトカルペン(Dictyopterene D′)〕などの揮発性炭化水素化合物が分泌されることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)