1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560160
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長嶋 郁 名古屋大学, 農学部, 助手 (00023416)
|
Keywords | 幹曲線式 / 生長過程 / 立木材積式 / 樹幹形 |
Research Abstract |
Mitscherlich生長過程にもとづいた幹曲線式を幹軸上に積分して立木材積式を誘導した。この式は、直径および樹高のそれぞれの生長極限値と両生長の生長速度係数の比(生長比)の3個のパラメ-タを含んでいる。 3個のパラメ-タのうち直径生長極限値と樹高生長極限値は適当に与え、それらの関数とし生長比をもとめることができるから、直径と樹高の2変数の材積式とみることができる。この立木幹材積式でえられた材積推定値を幹材積実測値(すぎ16本)と対比し、その精度を検証してこの式の有効性と問題点を考察した。この場合、区分求積の区分長は1mとした。実材積に対する材積推定値の材積誤差率は-11%から12%の範囲であり、また、16本合計の材積誤差率は2.3%であった。これらの誤差は胸高形数法による結果よりやや悪かった。理由として、Mitscherlich生長過程の特性にもとづくことと、直径生長極限値・樹高生長極限値の設定が必ずしも現実のものを反映していないことと係わっているものと考えられる。また実際には、パラメ-タの値は現実とかいりするが、この値の与え方を工夫することにより、本材積式の実際への適用の可能性は考えられる。表れている誤差の変動は樹幹形の変動を反映したものと考えられる。樹幹形の経年変化については、上記資料と別個に4本のすぎを樹幹解析し、5年毎の正規幹形を計算し、主成分分析によってその変化を検討したが、全体としては年度に応じる完満化の傾向はみられたが、個々の標本木については変動が大きく統一的な生長経過は認められなかった。このため、生長経過に対応した、有効な材積の推定方法に関する検討は今後の課題として残された。
|
Research Products
(1 results)