1989 Fiscal Year Annual Research Report
震動衝撃荷重による介在降灰層の脆弱破壊モデルを用いた火山泥流災害発生規模の予測
Project/Area Number |
01560171
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70041051)
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Keywords | 火山泥流 / 火山灰 / 液状化 / 流動化 / せん断抵抗 / ダイラタンシ- / 震動 |
Research Abstract |
火山泥流とは火山灰などを多量に含む流れであると言われている。しかしこれまでそのはっきりとした流体的な定義は与えられていない。ここでは特に火山灰と水から成る混合流体の濃度によるせん断抵抗特性の実験的追究を試み、比粘度μrを容積濃度φsの関数としてあらわし、濃度の増加に従ってせん断抵抗が増加することを示した。同関数式においてもφsがほぼ15%付近から濃度の増加に対してせん断抵抗は急激に増加し、これが実験的にも一致することを見出した。これらの結果から容積濃度が15%以上の場合を流体的にみた火山泥流として定義づけた。つぎに震動による土砂の流動化について、粒径別の土砂のせん断抵抗特性を調べた。すなわち幅20cm、深さ20cm、長さ100cmの容器を用いて、これに土砂を厚さ6cmになるように入れ、水を加えた後容器に振幅1,7cm、振動数1.8cycle/sec〜7.3cycle/secの水平方向の振動を与えたときの土砂内に挿入した金属板(幅4cm、高さ3cm、厚さ1.3mm)にかかる抵抗(せん断抵抗)を測定した。その結果粒径の比較的細かい砂の場合(ここではd<840μm)、せん断抵抗は振動数の増加に伴って減少することを見出した。一方比較的粒径の粗い砂の場合には(ここでは840μm<d<2000μm)、振動数がある値に増加するまではせん断抵抗は減少するが、それ以上に振動数が増加すると、逆にせん断抵抗は増加し始める。細粒の砂の場合、振動数が1.8cycle/sec〜4.7cycle/secにおいて、せん断抵抗は約1/1.8〜1/5.3に低下した。火山灰の場合(平均流径は120μm)には、これとはかなり異なった特徴を示しており、振動数の増加に伴って、せん断抵抗は次第に増加する。ただここでも濃度が低下するにつれて、比較的粒径の細かい砂の場合と同様、振動数の増加に伴ってせん断抵抗は減少する傾向がみられるが、高い場合にはダイラタンシ-が顕著になってくる。
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