1990 Fiscal Year Annual Research Report
震動・衝撃荷重による介在降灰層の脆弱破壊モデルを用いた火山泥流災害発生規模の予測
Project/Area Number |
01560171
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041051)
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Keywords | 火山泥流 / 火山灰 / 液状化 / 流動化 / せん断抵抗 / ダイラタンシ- / 震動 |
Research Abstract |
本年度の研究では、まず火山灰堆積物の振動に対する流動特性についてさらにいろいろな角度から実験的追究を試みた。すなわち河床堆積物内または山腹斜面堆積物内に、火山灰堆積物がサンドイッチ状に狭まれて存在するようなモデルに対して、これと火山泥流の発生・規模の拡大との関連性を明かにするため、十分な水が与えられて飽和状態に達した火山灰層に、震動を与えたときの流動性について追究した。火山泥流の流動特性については、まず火山灰だけの場合では、濃度が48.5%以上になるとダイラタンシ-が現れ、その流動性が著しく低下することを明かにした。火山灰に礫が混入した場合では、濃度が48.5%以下の領域では、礫の混入率が高くなるほど流動性は低下するが、濃度がそれ以上の領域では、礫が混入することによりダイラタンシ-が阻害され、火山灰だけの場合よりもかえって流動性が高くなる。特に、礫の混入率が40%前後時に、火山泥流は最も流動性が高くなり、礫の混入率がそれ以上に達すると、反対に流動性は低下することを明かにした。以上のことから、火山泥流が高濃度で礫を多数混入した状態でもきわめて高い流動性維持するのは、流下時の振動による火山灰の液状化と、もう1つは礫の混入によるダイラタンシ-の阻止効果との相乗効果のためであることがわかった。次年度も、火山泥流の流動特性を明かにするため、火山泥流を構成している他の要因についても研究を重ねる予定である。そして、さらに火山泥流の発生と規模の予知、予測に役立つ資料を得る予定である。
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