1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560173
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大宜見 朝栄 琉球大学, 農学部, 教授 (50045085)
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Keywords | 樹木細菌病 / 癌腫(こぶ) / 同定 / ナカハラクロキ / Pseudomonas n.sp. |
Research Abstract |
ナカハラクロキ癌腫(こぶ)細菌病の病原菌株の収集、接種、形態と染色性および生態調査を実施した。結果の摘要は次の通りであった。 1.本病害は、沖縄県国頭村奥を北限とし、中頭群西原町を南限とする沖縄本島に又、離島では久米島においてその分布を確認した。 2.本細菌は、癌腫(こぶ)組織の形成層に近い、水浸状の変色部から分離が可能であり、菌害木の果実および癌腫病激発地の土壌のいずれからも,癌腫病原を分離することはできなかった。 3.本細菌は、PDA培地上、24時間目では未発生、48時間目では直径0.1〜0.2mm、192時間目では2mm以上の円形、表明平滑、周縁全円、乳白色、中高、湿光、透過光で中央部帯淡黄褐色の集落。グラム陰性、好気性、運動性のある桿菌、大きさ1.8〜2.3×0.6〜0.8μm、1〜5本の極鞭毛をもつ。莢膜、芽胞共に形成しない。非抗産生。ペプトン水で発育するが、液面に薄膜を作らず、管壁に沿って輪を生じず、色素の産生は認めない。 4.66科164種の草本、木本植物に本病原を摂取したが、ナカハラクロキ以外では、タバコにのみ病原性のある宿主特異性が認められた。 5.本細菌は、細菌細胞内にポリ-β-ヒドロキシ酪酸の蓄積が認められ、アルギニンの加水分解は陰性又、脱窒反応は陽性であり、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology.pp.141〜199(1984)に独立種として記載されている2種の植物、非植物病原とは明らかに異なることからPseudomonas属の1新種であると思われた。因に本病原のDNAのGC含量は、67.8mole%であり、Pseudomonas属細菌のGC含量の範囲内にあった。
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Research Products
(1 results)