1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560174
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石垣 逸朗 日本大学, 農獣医学部, 講師 (50060075)
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Keywords | 雨水付着量 / 遮断蒸発量 / 降雨強度 / 風速 / LAI / 単木吊り下げ法 |
Research Abstract |
森林樹冠への雨水付着量と遮断蒸発量の量的推移に大きく影響を及ぼすと考えられる気象環境因子には、降雨強度、風速等をはじめとして多くの因子が関係している。その中で熱エネルギ-の供給がどの様な係わり方をしているかという観点から特に遮断蒸発に関するメカニズムの解明がいそがれている。本研究は、この遮断蒸発に係わるメカニズムの解明を行うための基礎的資料を得るため、主に単木吊り下げ法をもちいて検討を行った。実験にはDIK式降雨装置を、実験試料に28年生のヒノキをもちい、3種(6.96、13.18、19.30mm/hr)の降雨強度、3段階(0〜0.3、1.7〜2.0、2.0〜2.5m/s)の風速、4種(2.30、2.68、2.76、5.42)のLAIで実験を行った。樹冠遮断に関しては、HortonがI=S+KETで表し、樹体付着水分量と蒸発散量の2項より成り立っていることを示した。著者はこれまで遮断量を量的に支配している因子の中から樹木・森林特性を取り上げて、この特性変化による付着水分量Sについて考察を行ってきた。最近の遮断に関する研究において、降雨中における蒸発に関する考察の中で降雨強度の増加に伴い蒸発量も増加する傾向があるとの報告があり、この要因として降雨強度が増すに従い若干量風速が増える傾向があり、これが降雨中に葉面に付着した水分の蒸発を促進させるエネルギ-に成っているものと考えられる。本実験は、以上の点から、風の影響により樹体付着水分量Sと蒸発量Eがどのように推移するかを遮断〜時間曲線により、実現象を主体に計測を行った。考察にあたっては各降雨強度・LAI・風速別に、降雨停止後の樹冠遮断量につてい検討を行った。その結果、風速の増加に伴い若干量の付着水分量の減少が確認されており、その量だけ蒸発量も増加しているものと考えられる。今回風速の増減による遮断の実現象の確認のみを行った、今後、蒸発のメカニズムについて実現象と合わせて検討を行っていく。
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Research Products
(1 results)