1990 Fiscal Year Annual Research Report
トリメチルシリルアイオダイドによるリグニン中のエ-テル結合の選択的開裂
Project/Area Number |
01560177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯塚 尭介 東京大学, 農学部, 助教授 (30012074)
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Keywords | リグニン / エ-テル結合 / 選択的エ-テル開裂反応 / 炭素一炭素結合 / トリメチルシリルアイオダイド / 縮合型構造 / 分子量分布 |
Research Abstract |
前年度までのリグニンモデル化合物および摩砕リグニンを用いた検討の結果、アセチル化摩砕リグニンを試料ととした場合、そのほぼ全量がクロロホルム可溶の状態にまで低分子化されることが明らかとなった。リグニン中のエ-テル結合が極めて効率的に開裂したことを示している。このようなトリメチルヨ-ドシランによるエ-テル結合の開裂反応を用い、アルカリ蒸解過程におけるリグニン化学構造の変化について検討した。その結果、パルプ中のリグニン化学構造の変化を縮合反応にともなう新たな炭素ー炭素結合の形成についてみた場合、蒸解の終期になっても顕著な変質は認められなかった。一方、溶出リグニンについては、一様に変質が進んでいることが明かとなった。すなわち、リグニンの変質は蒸解初期に溶出したリグニンも、終期の段階で溶出しているリグニンと著しい相違いがなく、リグニンの変質が溶出後、比較的早い段階で完結しているといえる。これらの結果は、蒸解過程におけるリグニンの挙動を明らかにするうえで、極めて重要な知見であると考える。なお、未処理木粉あるいは蒸解初期の木粉に対しトリメチルシリルアイオダイド処理を行なう場合には、反応を均一に進行させるため、予め試料を摩砕することが望ましい。現在、木粉および摩砕リグニンのとリメチルシリルアイオダイド処理によって生成する低分子リグニンフラグメントの単離とその構造決定を試みている。これによって処理過程におけるリグニン中のエ-テル結合の開裂反応が、リグニンモデル化合物について筆者らが明らかにした機構と同様の機構によっているか否かについて明らかにすることができよう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Gyosuke Meshitsuka: "Cleavage of βーAryl Ether Bonds is hignin by Trimethylsulyl Jodide" I.Wood Chem. Technol.7. 161-178 (1987)
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[Publications] Shigeto Makino: "Selective Cleavage of Ether Bonds in Lignin by Trimethylsilyl Jodide" Proceedings of 1989 Jnternational Eymposium on Wood and Pulping Chomistry. 1. 275-278 (1989)
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[Publications] Shigeto Makino: "Selective Cleavage of Ether Bonds in Lignin by Trimethylsilyl Jodide" 木材学会誌. 36. 460-465 (1990)
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[Publications] Kenichi Fujino: "Formation of carfonーcarfon fonds in Lignin dnring Alkaline CookingーStudies by the use of trimethylsilyl Jodideー" 木材学会誌.