1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560188
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 隆一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80091370)
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Keywords | 高分子リグニン / 高分子リグニン配糖体 / DHP / DHP配糖体 / 酵素分解 / リグニンペルオキシダ-ゼ / Phanerochaete chrysosporium / リグニンモデル化合物 |
Research Abstract |
高分子リグニンにリグニン分解酵素を作用させた際、ラジカル重合反応系を阻止しながら低分子化を促進させるのに必要な因子の1つとして、糖の存在に注目し、効果的なリグニンの酵素分解を試みた。 元年度において、高分子リグニンの酵素分解において、高分子リグニンが配糖化されることによって重合反応が阻害され、顕著な低分子化反応が確認されたため、二年度においては、この糖の結合による重合反応阻害機構について解明した。 1).リグニンモデル配糖体の酵素分解 (1)リグニンモデル配糖体の合成 リグニンモデル化合物である4ー0ーエチルグアヤシルグリセロ-ルーβーグアヤシルエ-テルを合成後、そのキシロ-ス配糖体である3ー(4ーエトキシー3ーメトキシフェニル)ー3ーヒドロキシー2ー(2ーメトキシフェノキシ)プロピル βーDーキシロシド(GGーXyl)を合成した。 (2)GGーXylおよびそのアグリコン(GG)の酵素分解 木材腐朽菌であるPhanerochaete chrysosporiumの培養液からリグニンペルオキシダ-ゼを単離し、GGおよびGGーXylに作用させて両者の分解性を比較した。両者に違いはなく、モデル化合物の分解性に糖は影響を及ぼしていないことが明らかとなった。 2).ミセルの形成 木材腐朽菌によりリグニンが生分解を受ける際、高分子リグニンは配糖化されることによってミセルを形成し、容易に水溶性化することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] P.Kondo,T.Iimori,H.Imamura,T.Nishida: "Polymerization of DHP and depolymerization of DHPーglucoside by lignin oxidizing enzymes" Journal of Biotechnology. 13. 181-188 (1990)