1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560256
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
駒村 正治 東京農業大学, 農学部, 助教授 (60078194)
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Keywords | 畑地灌漑 / 用水量計画 / 有効雨量 / 点滴灌漑 / 多孔管灌漑 |
Research Abstract |
畑地灌漑計画における用水量については、我が国のような湿潤地帯における現実の畑地灌漑の実態から見直しの必要な部分が見受けられる。本研究では、試験圃場および畑地灌漑実施地において土壌、灌漑施設(一部点滴灌漑)、営農状況および降水量(有効雨量)を考慮した計画用水量の検討を行うことを目的とした。 現在実施中の調査項目・方法および成果を以下列記する。 (1)試験圃場での調査は、東京農業大学厚木中央農場内の野菜圃場(露地、雨除け)にサトイモ、キュウリを栽培し、末端灌漑施設を多孔管、点滴ホ-スの灌漑器具および灌水量の異なる区を設けて実施した。主な結果は、灌漑効果からみて適切な灌水の試験区が生じた。また灌漑器具別には点滴灌漑での過剰灌水に対する考慮が必要であることがわかった。 (2)畑地灌漑実施地での用水利用調査は、静岡県浜松市を中心とする三方原用水地域としている。調査方法は、水路末端のファ-ムポンドに自記水位計を設置し、水位変動と揚水機の運転状況などを記録し、この結果を整理する。また、これらの調査と併行して各シ-ズンごとの作付調査を行い、必要に応じて農家の灌漑に対する意識および行動を聞き取りを行った。この結果、灌漑使用水量は、栽培作物との関連が大きく、とくにハウスが多いほど使用水量が増加し、またハウスにおいても雨量との関連が認められた。 (3)次年度においては、今年度の調査を補足・継続する。まとめ方としては、試験圃場での土壌水分測定値や気象試料ならびに畑地灌漑実施地での水利用実体などもふまえて統計的処理によって有効雨量を算出し、畑地灌漑の計画用水量の見直し(縮小)の可能性について、主に降雨の有効化の観点でとらえる。
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