1990 Fiscal Year Annual Research Report
排気温度検出によるエンジン出力モニタシステムの研究
Project/Area Number |
01560264
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 稔 京都大学, 農学部, 教授 (00026460)
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Keywords | 機関出力検出 / 排気温度 / トラクタモニタシステム |
Research Abstract |
前年度の実験結果、排気温度から機関出力を求めるに際しては、負荷変動の大きさと負荷の増減の方向によって、数十秒の整定時間が存在することがわかった。本年度は、この問題を更に詳細に調べ、モニタシステム作成のための資料を得ようとした。その結果、熱電対利用による排気温度の検出方法では、整定時間の問題に加えて、負荷の大きな変動に対しては機関出力値にヒステリシスがあることが明かとなった。また、モニタシステム電子回路に予定していた対数特性を持つポテンショメ-タは、現在製造中止となったことが判明したため、パ-ソナルコンピュ-タに全ての信号を取り込み、演算を行って、オペレ-タへの機関回転速度あるいはトラクタ走行速度段の適正操作の指示を示すように、大幅の変更を余儀なくされた。 上記のように、排気温度から機関出力をモニタする方法には、いくつかの欠点が認められたため、それに替わる簡易な方法として、機関の初期設定回転速度と作業負荷時の機関回転速度から、機関出力を求めることによって、初期の目的が達成できるか否かを調べる実験を行い、考察した。 結果の概要は以下の通りである。 1)ある機関設定回転速度では、その排気温度は機関負荷と一次式で近似しうる高い相関関係がある。しかし、負荷の増減に伴うヒステリシスが存在し、問題点の一つである。2)機関負荷の変動に伴う排気温度の整定時間は、負荷の変動幅と増加・減少の変化方向に大きく影響され、特に、過負荷時は顕著な遅れがある。3)機関の初期設定回転数からの回転速度低下率から、機関負荷を求めることができる。4)結論として、負荷変動の激しいトラクタ作業においては、排気温度検出の方法よりも、機関回転低下率を利用する方法が実用的である。
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