Research Abstract |
前年度に試作した堆肥埋込作業機について,本年度は堆肥施肥量の制御実験と堆肥の埋め込み実験を行った。 堆肥施肥量の制御は,マニュアスプレッダの床チェ-ン送り速度とオ-ガ軸の組み合わせで行う。その方法は,オ-ガ部へ堆肥を過剰に搬送しないで,オ-ガの充満率が80〜90%になるように,床チェ-ンコンベヤの駆動をONーOFF制御によって堆肥の搬送量を調節することである。 ここでは,床チェ-ンの送り速度をONーOFF制御するために,オ-ガ部に光電センサ-を取付け,オ-ガ部に堆肥が過剰に搬送されると,光電センサ-の作用によって床チェ-ンコンベヤが一時停止し,堆肥がなくなると復帰して搬送が開始するようにして施肥量制御実験を行った。 その結果,作業効率を高め,常に一定の堆肥を排出させるためには,オ-ガ部の充満率を80〜90%に保つことで,そのために,オ-ガ部へ堆肥をやや過剰になるように床チェ-ンコンベヤのONーOFF制御を行うようにする方がよいと考えられた。 ほ場での堆肥埋め込み実験では,溝断面計測により,溝に一定量の堆肥を投入することができた。覆土割合は,浅い溝の場合20〜40%,深い溝の場合30〜40%であった。覆土装置による効果は,浅い溝の方に覆土が盛り上がり効果があったが,深い溝の方は,十分に覆土円板が作用しなく,覆土円板の自重,その取付け幅と排出された土の幅及び溝深さ等のマッチングを考慮する必要があった。 この試作した堆肥埋込作業機は,全体としてショベルの上下調節装置及び動力伝達方法等の解決が必要であるが,これまでの基礎実験では堆肥の埋め込みを十分に行うことができた。今回初めての試作であり,さらに改良点について研究を重ねることにより,高作業効率の作業機として,近い将来,完成されていくものと考える。
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