1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560269
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 俊一郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80041664)
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Keywords | 非破壊検査 / 内部欠陥果 / 超音波 / ダイコン / スイカ |
Research Abstract |
1.研究目的 この研究は各種農産物の内部欠陥を横波超音波によって非破壊検査する方法の基礎を確立することを目的とするものである。 2.研究計画 (1)10〜200kHzの間で周波数可変の超音波発生装置を設計製作する。(2)ピ-ク周波数と先端部が異なる数種類の横波送信子を設計作成する。(3)普通および桜島ダイコンならびに季節的に入手可能であればスイカについても実験を行う。(4)まず、空洞を人口的につくったものと正常果に、つぎに熟練者によって判定・選別された内部欠陥果に、横波超音波を透過法で与える。そして産物ごとに内部欠陥を検出するに最適な周波数を求める。(5)デジタルストレ-ジスコ-プに受信波形デ-タを記録し、周波数解析を行う。 3.研究成果 普通ダイコンの場合、(1)波動の伝播状態は穴あけ加工を施した試料のほうが無加工試料に比べ、時間軸波形の振幅が小さくてパワ-スペクトルにも差が見られ、判別可能であった。(2)ス入りダイコンと正常ダイコンについての伝播波動の時間軸波形およびパワ-スペクトルの双方に同様の差異があり、横波超音波利用によりス入りの判定が可能であることが判明した。(3)桜島ダイコンの場合、普通ダイコンと同様に時間軸波形およびパワ-スペクトルの双方に違いがみられ、普通ダイコンに比べ大型の桜島ダイコンにおいてもス入りの判定が可能であることが分かった。(4)スイカの場合、複数方向からの測定値の相関によって内部空洞を検出することの可能性が認められた。 4.研究の考察と展望 本研究によって、普通ダイコン、桜島ダイコンおよびスイカの内部欠陥を非破壊的に判定することが可能であることが分かった。今後、装置および手法的な問題を解決し、早期実用化を目指したい。また、理論的研究をも進めることが必要である。 5.購入した備品類等は、いずれも有効かつ十分に利用された。
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[Publications] 田中俊一郎,守田和夫,南忠司: "横波超音波を利用した農産物の内部品質非破壊判定法" 電子情報通信学会 超音波部会研究会誌. US89-18. 17-22 (1989)
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[Publications] 田中俊一郎: "横波超音波による青果物内部欠陥非破壊検査法" ニュ-フォ-カスセミナ-テキスト 食品における非破壊検査システムの現状と展望. 53-96 (1989)