1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560278
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 誠司 北海道大学, 農学部, 助教授 (20112576)
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Keywords | 傾斜放牧地 / 育成牛放牧 / ヘレフォ-ド種 / ホルスタイン種 / 敵対行動 / 採食行動 / 休息行動 / 地形 |
Research Abstract |
1)1歳齢ヘレフォ-ド種(HF、♂16、♀16、A群)及び18頭(♂9、♀9、B群)を5月から11月まで輪換放牧とし、各月1回A群は地形の複雑な2000m^2/頭の実験牧区(標高150-210m)、B群は比較的平坦な1000m^2/頭(標高110-140m)の実験牧区に1週間程度滞牧させ、各2回24時間の行動を観察記録した。6月に両群にホルスタイン種育成雌牛(HL、5-14か月齢)を5頭ずつ加え、1週間の連続行動観察を行った。 2)HLを加える前の両群の日内の敵対行動数は1時間当たりA群が18.5回、B群は13.7回と、既報(Kondo,et al.,Appl.Anim.Behav.Sci.,1989)の推定値よりやや低い値となった。HLを加えた直後は、両群ともHF及びHLの採食時間帯に差がみられたが、約1週間で一致した。しかし、群構成頭数か大きく地形の複雑な牧区のA群は、HLを中心とする小群が全体から別れる行動が見受けられ、採食行動・社会行動とも安定するのにB群より、やや時間がかかった。 3)7月から11月まで各月の両群の1日を昼間(8:00-16:00、DT)、夜間(20:00-4:00、NT)、日の出・日没時(4:00-8:00及び16:00-20:00、ME)に分けると、両群とも季節を通じてDTは採食及び休息、NTは休息、MEは採食行動が主に観察された。 4)A群のDTの採食及び休息は南東の標高190m以下傾斜度20度以下の緩斜面、NTの休息は標高190m以上傾斜度20度以下の緩斜面、MEの採食は林地を除いた全牧区内で主に行われ、NT,MEの行動場所は季節を通じて大きな変化はないが、DTの行動場所は変化した。B群ではNTの休息にやや標高の高い場所を選ぶほか一定の傾向はなかった。 5)A群の牧区の現存草量は季節を通じて、平坦なB群の牧区より低かったが、林地内を除いて比較的均一で、牧区内微気象は斜面上部の気温の日較差が小さく、南向斜面の風速が高く、林地内のカタ冷却力が低かった。
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