1989 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代後期から明治中期までの畜産書の歴史 特にオランダの厚生新編を中心として
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01560287
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松尾 信一 信州大学, 農学部, 教授 (60021044)
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Keywords | 日本の畜産の歴史 / 江戸・明治の畜産書 / 厚生新編(江戸)の家畜・家禽 / 日本の家畜文化史 / 哺乳類・鳥類の古書 |
Research Abstract |
1.本研究の資料として、本年度は、(1)江戸時代書として、ショメ-ルの厚生新編、詩経名物弁解、毛詩品物図攷、紅毛雑話、蘭腕摘芳、紅毛談、蘭説弁惑、象志、鳥名一覧、本草会物品目録、(2)明治時代書として、チェンバ-スの百科全書、ハリス養豚説略、牧牛説、斯氏農書、斯氏農業門答、農用家畜論、斯魯斯動物学、田中芳男動物学、通常動物、小学動物教授書、博物新編訳解、薬用動物編、(3)参考文献として、洋学関係研究文献要覧、蘭学資料研究(総目次編)、薩摩博物史、日蘭分化交渉史の研究、対外交渉史の研究、モ-スと日本、蘭学の祖今村英生(西説伯楽必携)、イギリス古農書考、飲食事典などを購入できた。 2.国立国会図書館、国立公文書館、名古屋蓬左文庫、松浦史料博物館、長崎県立図書館などで、ショメ-ルの原書(オランダ語)と古今要覧稿の家畜家禽の項、華夷通商考、事物異名類、馬経大全、仮名馬経大全、元亨療馬集、馬伝秘抄、解馬新書などの複写資料を入手できた。 3.来3月30日の日本畜産学会で、厚生新編(江戸後期)と百科全書(明治前期)の調査をして、馬、山羊、水牛、犬、馴鹿、家鴨、鵞、吐綬鶏、金糸雀(以上厚生新編)、と馬、牛、豚、羊、山羊、兎、鶏、吐綬鶏、珠鶏、鵞、家鴨、鳩、福島鳥(以上百科全書)について口頭発表予定である。 4.来5月の日本科学史学会第37回年会で、3に記載した、吐綬鶏と珠鶏についての調査研究の結果を発表予定である。江戸時代の吐綬鶏は現在の七面鳥のことを指している場合と中国産のジュケイのこととを指している場合があり、江戸時代に混乱している。江戸時代には七面鳥をカラクン(オランダ語)とも記している。珠鶏は現在のホロホロ鳥のことである。本来はパ-ルヒュン(オランダ語)の日本訳の真珠鶏が珠鶏に変化していることも判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松尾信一: "七面鳥とホロホロ鳥についての書誌学的研究" 従来家畜研究会報告. 13.
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[Publications] 松尾信一: "江戸時代-明治時代の畜産の歴史10.厚生新編(江戸後期)と百科全書(明治前期)の調査研究" 第83回日本畜産学会大会講演要旨.
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[Publications] 松尾信一: "日本の家畜解剖書の歴史 XXV.屋代弘賢の古今要覧稿の馬の骨格図について" 第109回日本畜産獣医学会講演要旨集.
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[Publications] 松尾信一: "吐綬鶏と真珠鶏について" 日本科学史学会第37回年会発表講演要旨集.