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1990 Fiscal Year Annual Research Report

鶏精子の温度による可逆的不動化現象に関する研究

Research Project

Project/Area Number 01560294
Research InstitutionMiyazaki University

Principal Investigator

芦沢 幸二  宮崎大学, 農学部, 助教授 (60128353)

Keywordsニワトリ / 運動性 / 精子 / ダイニンATPase / 温度
Research Abstract

鶏精子は正常体温である40〜41℃において運動を停止し、温度を下げると再び動き出す。これを温度による可逆的な不動化現象と称している。この現象は、精子鞭毛のダイニンATPase活性の低下によって引き起こされると考えられているが、詳細には解明されていない。本実験では、この機構を明らかにするため、除膜モデル精子を用いて、精子の運動性に及ぼす1価の塩化物の影響を検討した。供試精子は、白レグ雄成鶏から採取、混合し、これをTES/NaCl緩衝液(pH7.4)で洗浄したものである。精子の除膜は0.1%TritonXー100を用いて行い、運動発現のための再活性化液には0.5mMATPを添加し、これにNH_4Cl、LiCl、NaCl及びKClを0〜0.7Mの濃度になるように加えた。次に塩抽出法によって鞭毛のダイニンを抽出し、ダイニンATPase活性に及ぼす1価の塩化物の影響を検討した。これらの測定は、すべて40℃で行った。
その結果、除膜精子は40℃において運動を停止していた。これに対して、NH_4Cl、NaCl及びKClを添加すると運動精子が観察され、いずれも0.3Mで最高値を示した。それ以上の濃度域では運動性が再び低下した。しかし、LiClはいずれの濃度域においても運動促進効果を示さなかった。ダイニンATPase活性を測定したところ、LiCl以外の塩化物を添加すると、無添加の場合に比べて約50%も高い活性が認められた。
以上の結果から、鶏精子はNH_4Clなどの1価の塩化物を添加することによって、鞭毛のダイニンATPase活性が促進され、40℃においても不動化を示さず、運動を発現できると推察された。また、細胞内PHの上昇がダイニンATPase活性に影響を及ぼしていることが示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Ashizawa,K.and Hori,M: "Activation of dynein adenosine triphosphatase and Flagellar motility of demembranated spermatozoa by monovalent salts at 40℃ in the domestic fowl,Gallus domesticus." Comp.Biochem.Physiol.97A. 325-328 (1990)

URL: 

Published: 1993-08-11   Modified: 2016-04-21  

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