1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560296
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 裕志 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80050615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 創三 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (30137898)
広田 秀憲 新潟大学, 農学部, 教授 (90003748)
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Keywords | ル-トマット / 地表根 / 永年草地 / イネ科牧草 |
Research Abstract |
申請書に記載の目的に沿って、モデル培地において基礎的研究を実施した。成果の要点は以下のとおりである。 1.ル-トマット形成因子のひとつである地表根は、イネ科牧草8草種を供試したモデル培地すべてで出現が確認できた。発現時期は草種によって4〜6週令の差異が認められた。また、発現部位はすべて土中5cm以内のごく地表付近であった。そして地表根は3次根まで分枝しながら初期段階で土中の普通根の30〜50%程度まで発達する。以上のように発現・生育する地表根は、地表面に約10mm以上の層を形成するが、成植物に進行するにつれル-トマット形成因子として重要な役割をもつと推察できる。 2.実際の永年草地におけるル-トマットの実態を調査した結果、次の点が明らかになった。(1)牧草の被露がCC〓80%以上の地際には地表根が発生する。(2)地際の微気象を測定すると、水分は飽和状態に維持され、光量は10%以下の条件が持続している。 3.これらの成果から、牧草生育が良好な永年草地においては、地際の微気象が地表根の出現・発達をうながす条件をつくりだす。地表根は地際で根系拡大をつづけ、土喰の上にあらたに根の層を形成することが考えられる。 4.今後の課題としては、(1)初期生育段階での地表根の生態は解明できたので、次いで、成植物へ至る過程の生態を把握すること。(2)実際の永年草地で地表根の層がル-トマット形成因子として持続できるかを観測すること。(3)植物形態学的な視点から、牧草の地表根は土中の普通根とどのような点に差異があるのか。等々のテ-マについて現場試験・室内試験をおこなう必要がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroshi KOBAYASHI: "Factors affecting root mat formation in Permanent grassland(1)" J.Japan.Grassl.Sci. 34. 178-185 (1988)
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[Publications] Hiroshi KOBAYASHI: "Factors affecting root mat formation in permaneut grasslancl(2)" J.Japan.Grassl.Sci. (1990)