1990 Fiscal Year Annual Research Report
各種動物における鉄化合物の機能とその輸送に関する研究
Project/Area Number |
01560298
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
津田 恒之 東京農業大学, 農学部, 教授 (00005571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半澤 恵 東京農業大学, 農学部, 助手 (00181032)
渡邊 誠喜 東京農業大学, 農学部, 教授 (20078108)
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Keywords | 鉄 / 腸管吸収 / キレ-ト化合物 / トランスフェリン / メンヨウ / 新生子 / ビピリジン / フェナンスロリン |
Research Abstract |
I. 鉄の輸送に関する実験 (1) 前年度に引き続き、兎の反転腸管を用い、ビピリジンおよびフェナンスロリンの2価および3価鉄キレ-ト化合物、および市販のペプチド鉄の吸収実験を行った。その結果、反転腸管内腔に出現した鉄量は2価鉄キレ-ト化合物が3価鉄キレ-ト化合物およびペプチド鉄より有意に高かった。一方、腸管組織中に残存した鉄量は3価鉄キレ-ト化合物が最も多かった。 (2) 腸管粘膜のおける鉄の吸収機構について知るため、未反転腸管を用いて反転腸管の場合と同様の実験を行ない、両者を比較した。その結果、ペプチド鉄を除き、いずれの鉄化合物においても腸管内腔への鉄の出現量は反転腸管において多く、腸粘膜における何らかの吸収機構の存在が示唆された。 (3) これらの鉄化合物が実際に生体に利用される程度を知るため、メン羊にビピリジンの2価および3価鉄化合物ならびにペプチド鉄の経口投与実験を行なった。その結果、in vitro実験で吸収性の良かった2価鉄化合物が生体においても同様に3価鉄化合物より容易に吸収されるようであった。また、ペプチド鉄も吸収され、かつ、尿中への排泄量は最も少なかった。 II.トランスフェリンに関する実験 (1) メン羊の新生子およびその母畜を用い、血漿トランスフェリン(Tf)を中心に各種蛋白質、また母の乳汁中ラクトフェリン(Lf)と各種蛋白質の濃度変動を追跡した。その結果、新生子のTf濃度は比較的高く、また乳汁中のLf濃度は分娩直後は高かったが、その後は急激に減少した。
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Research Products
(1 results)