1990 Fiscal Year Annual Research Report
ウシラクトフェリンと生体関連物質との相互作用の解明
Project/Area Number |
01560302
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Research Institution | Obihiro Univ. of AGR. & VET. MED. |
Principal Investigator |
島崎 敬一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10091547)
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Keywords | ラクトフェリン / 色素 / 相互作用 / 誘起コットン効果 / タンパク質・色素複合体 / ホエ-タンパク質 / 円偏向二色性スペクトル / 等電点 |
Research Abstract |
ラクトフェリンは低分子量の物質から高分子量の物質まで、生体中に見出される幅広い範囲の物質と相互作用する事が見出されている。しかし、その詳細なメカニズムおよび生物機能との関連性は未だ解明が進んでいない。本研究では、ある種の補酵素のアナログ様物質と考えられている色素Cibacron Blue F3GAモデル物質として用い、ウシラクとフェリンとの相互作用のメカニズムを明らかにし、ラクトフェリンの生体内での機能についての基礎的な知見を得る事を主要な目的とした。特に今年度はウシトヒトラクトフェリンの色素結合の強度の違い、およびその原因ではないかと疑われる等電点の違いについて、詳細に検討した。 ヒトラクトフェリンでは固定化色素との吸着性がウシラクトフェリンよりも弱い事実が観察された。この様なウシとヒトラクトフェリンの色素への結合の違いは、両者の等電点の違いに由来するのではないかと考え、分析用および分画用の等電点電気泳動を行った。その結果、ウシラクトフェリンではpH8.8に、ヒトラクトフェリンではpH8.7の位置に溶出した。しかし、特にヒトラクトフェリンで両性担体との相互作用に起因すると考えられる異常な挙動が観察された。さらに、等電点電気泳動における尿素あるいは界面活性剤の効果なども検討した。 ウシラクトフェリンの食品や医薬品分野での利用が現実のものとなってきている現在、ウシとヒトラクトフェリンの基礎的な物性の違いがそれらの生物学的な諸性質とどの様に関わっているか、今後さらに深く追究されなければならない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Shimazaki and N.Nishio: "Affinity properties of tryptic fragments of bovine lactoferrin with immobilized Cibacron Blue F3GA" Jpn.J.Zootech.Sci.61. 169-171 (1990)
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[Publications] K.Shimazaki and N.Nishio: "Interacting properties of bovine lactoferrin with immobilized Cibacron Blue F3GA column" J.Dairy Sci.74. 404-408 (1991)
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[Publications] K.Shimazaki,N.Kawano and Y.C.Yoo: "Comparison of bovine,sheep and goat lactoferrins in their electrophoretic behavior,conformation,immunochemical propertiy and lectin reactivity" Comp.Biochem.Physiol.98B. 417-422 (1991)
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[Publications] K.Shimazaki,S.Nagata and Y.C.Yoo: "Susceptibility of bovine lactoferrin to plasmin and chymosin" Agric.Biol.Chem.55. 1125-1126 (1991)
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[Publications] K.Shimazaki and T.Hosokawa: "A tentative method for rapid preparation of ironsaturated lactoferrin by affinity chromotography" Animal.Sci.Technol.62. (1991)