1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560312
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
伊藤 整 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (70097070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 信一 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (40120761)
山野 秀二 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (20001539)
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Keywords | 牛乳 / 脂肪球皮膜糖蛋白 / 降コレステロ-ル効果 |
Research Abstract |
牛乳脂肪球皮膜(MFGM)糖蛋白成分による高コレステロ-ル血漿防禦効果について以下の様に検討した。MFGMの調製は洗浄クリ-ムからバタ-ミルクを調製し、凍結乾燥したもので、その成分分析の結果は脂質48.8%蛋白質49.0%、炭水化物1.05%である。又MFGM糖蛋白の電気泳動による理化学的検索では、膜の可溶化に選択性を持つジョ-ドサリチル酸リチウムでMFGMの一部を可溶化した結果、SDS-PAGEで蛋白バンド12本、そのうちPAS染色による糖蛋白バンド4本を認めた。動物実験は4週令のSD系雄ラットを用いた。一群10匹とし、個別のケ-ジで12日間飼育した。基本飼料の組成割合は22% Casein,3.5% Mineral mixture,1.2% Vitamin mixture,10% Butter,0.5% Cholesterol,0.25% Sodium cholate,3% Cellulose,59.55% Sucroseである。これを与えたものを対照群(I群)とし、試験群には基本飼料にクリ-ムを20%(II群)、MFGM成分3%(III群)の割合で添加したものをそれぞれ与えた。体重と摂取量を毎日測定するとともに糞の性状を観察した。血漿は6日目と12日目に心臓採血した血液から得た。この血漿について、総コレステロ-ル、HDLコレステロ-ル、トリグリセライド値をそれぞれ測定した。対照群と実験群(II,III)の体重・摂取量には有意差は認められなかったが、実験群の糞はいずれも対照群に比べて軟化・白色を呈し、かなりの脂肪分が糞中に排出されることが示唆された。血漿総コレステロ-ルの平均値は対照群において、日数経過とともに著しい増加を示したが、実験群は上昇率が低く、特に12日目の値は対照群(250mg/dl)と実験群(II 130mg/dl、III 150mg/dl)との間に有意差を認め、血漿コレステロ-ル抑制効果が確かめられた(P<0.05)。血漿トリグリセライド値は実験群の方が低くなる傾向を示したが、対照群との間に有意差はなかった。また血漿HDL値についても対照群との間に有意差はなかった。
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Research Products
(1 results)