1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01560327
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
菅野 司 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30081516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 光明 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20134504)
塩田 昌一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10137242)
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Keywords | 糖代謝 / 交感神経 / ラット / 灌流肝 / プロスタグランジン |
Research Abstract |
肝臓の糖代謝は、ホルモンと神経の二重支配をうけているが、相互の作用様式は十分明らかにされていない。in vivoにおける肝臓の代謝調節を理解するためには、ホルモンと神経の両作用下での糖代謝を理解しなければならない。今回我々はホルモンによるglycogen分解及び交感神経刺激によるglycogen分解の特性を灌流肝を用いて比較検討した。[結果](1)Phenylephrine 5μM,20Hz交感神経刺激によってそれぞれ最大のglycogen分解作用が得られた。交感神経刺激の最大効果は、Phenylephrineによるものの約70%しか得られなかった。両効果はともにα遮断薬Phentolamine50μM存在下において消失した。(2)Prostaglandin合成阻害剤indomethacin20μMあるいはphospholipase A_2阻害剤mepacrine5μMにおいて、交感神経刺激によるnorepinephrine放出を阻害することなくglycogen分解作用は有意に抑制された。一方、phenylephrineの効果は影響を受けなかった。(3)Glucagon及びβ作動薬isoproterenol存在下においてphenylephrineの効果は抑制されたが、交感神経刺激の効果は抑制を受けなかった。以上交感神経刺激によるglycogen分解作用はα作用を介するが、α作動薬と異なりこの作用発現にprostaglandin産生が重要な役割を演じていることが分かった。細胞内cAMP産生を増加させるglucagon及びisoproterenol存在下において、α作動薬の抑制効果と異なり、交感神経の効果は抑制を受けなかった。従って、in vivoにおいてホルモンと肝交感神経による糖代謝の調節機構は異なることが示唆される。
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