1989 Fiscal Year Annual Research Report
猫免疫不全ウイルス感染猫の肝障害に関する研究-胆汁酸分析からのアプロ-チ
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01560341
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
鷲巣 月美 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (20191736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 卓夫 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (30143506)
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Keywords | 胆汁酸 / 猫免疫不全ウイルス / 肝障害 / HPLC |
Research Abstract |
猫免疫不全ウイルス(FIV)陽性猫で肝障害が多数認められていることから、肝の病理組織学的検索ならびに高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)による血清胆汁酸分析を行った。猫における血清胆汁酸(SBA)に関する基礎的なデ-タが全く無いため、健康猫の血清および胆嚢胆汁中の胆汁酸分析を行った。胆嚢胆汁中の胆汁酸は32.32mg/ml であり、8種類の胆汁酸が確認された。これら8種類の胆汁酸のうち主なものはタウロコ-ル酸(TC)、タウロデオキシコ-ル酸(TDC)、タウロケノデオキシコ-ル酸(TCDC)であり、その和は全体の98%を占めていた。猫のSBAは非常に濃度が低く、空腹時では1.03±0.89umol/L、食後でもその上昇は他の動物のように顕著ではなく2.09±1.38umol/Lであった。SBAの構成成分はTCが最も多く全体の57%、次いでコ-ル酸16%、TCDC9%、TDC8%であり、75%がタウリン抱合であった。 FIV陽性死亡例の肝の病理組織学的検索では、胆管肝炎、漿液性肝炎、漿液性肝炎と肝紫斑症の合併が多く認められた。胆管肝炎では細菌や真菌が証明されないものもあったが、肝内胆管を原発とする急性ないしは慢性活動型の胆管肝炎であり、中には胆管閉塞から胆汁性瀰慢性線維症への移行例も認められた。漿液性肝炎では類洞内皮下に弱好酸性の蛋白様物質の高度の沈着が認められ、肝細胞は壊死し類洞は極度に狭小化していた。この沈着物はその染色性より血漿蛋白と思われ、類洞血管内皮の変化による病変と思われた。 病理学的検索を行った全例において血清総胆汁酸の増加が認められた。胆管肝炎ではTCの著名な増加とTDCの減少を示す例が多くみられ、胆汁排泄障害、胆汁うっ滞との関連性が考えられる。また、漿液性肝炎の例の中には明らかなTCの減少がみられ、胆管肝炎のパタ-ンとは異なっていた。
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Research Products
(1 results)